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136番 清暑益気湯(せいしょえっきとう)

この時期に夏バテの話をするものなんですが…
夏バテの漢方といえば、白虎加人参湯、清暑益気湯、啓脾湯、平胃散、五苓散、防己黄耆湯などが挙げられます。
体内の熱を冷まし、体液を潤し、元気をつけるなら白虎加人参湯。熱を冷ますよりも、消化機能の改善に重きを置くなら、今回取り上げる清暑益気湯。さらに下痢や消化不良に重点を置くなら啓脾湯です。

使用目標(証)

本方は、比較的体力が低下した人が、全身倦怠感、食欲不振などを訴える場合に用いる。一般に、軟便傾向、尿量減少、自然発汗、手足の熱感、咽喉部乾燥感、咳嗽などを伴う。元来、上記症状が夏季に現れた場合(いわゆる注夏病)に多用されてきた。

組成

白朮(びゃくじゅつ);脾を補い、利水作用。
人参(にんじん)
麦門冬(ばくもんどう);肺を潤す
黄耆(おうぎ);補気剤
陳皮(ちんぴ);理気剤。脾胃にも作用。
当帰(とうき);補血剤。
黄柏(おうばく);解熱
甘草(かんぞく)
五味子(ごみし);肺を潤す

勝手にポイント

夏痩せ、夏負けの薬。裏熱虚証の薬。

参考文献
「つまずきから学ぶ漢方薬 構造主義と番号順の漢方学習」 岩田健太郎 著 / 西本隆 監修
「漢方製剤 活用の手引き 証の把握の処方鑑別のために」 長谷川弥人 大塚恭男 山田光胤 菊谷豊彦
漢方スクエア 絵でわかる漢方処方解説 清暑益気湯
漢方スクエア 方剤解説 清暑益気湯