41番 補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

自分が飲んでた薬って思い入れがあります。とある理由で、一時期、この「補中益気湯」を処方してもらってました。正直にいうと、ほとんど飲まずに溜まっていく一方。いや〜、この体験は自分が処方する側にまわった時に、とてもためになりました。患者側には、悪気はない。僕の場合は、ただ、飲まないといけない理由が腹落ちしていませんでした。
いまでも、「補中益気湯」を処方する時に思い出すほろ苦い思い出です。

使用目標(証)
本方は、虚弱体質、慢性疾患、外科手術後など、種々の原因で体力が低下した状態に広く用いられる。腹部は腹壁の緊張が弱く、腹部大動脈の拍動を触れることが多く、軽度な肋骨弓下部の抵抗・圧痛(胸脇苦満)、時利絵心窩部振水音を認める。イパンに脈は軟弱で、全身倦怠、易疲労感があり、言語・眼勢に力がなく、食欲不振、咳嗽、微熱、盗汗、動悸、不安などの症状を伴う。

組成
黄耆(おうぎ);脾の気を補う
白朮(びゃくじゅつ);脾の気を補う(メーカーによっては蒼朮)
人参(にんじん);脾の気を補う。
柴胡(さいこ);気剤
当帰(とうき);活血作用
升麻(しょうま);キンポウゲ科の植物の根茎。発汗解表。
陳皮(ちんぴ);理気の効果
大棗(たいそう);脾胃に作用
甘草(かんぞう);脾胃に作用
乾姜(かんきょう);脾胃に作用

勝手にポイント
補中益気湯は元気がない、裏寒虚証の薬。夏バテ、消耗状態の用いる。
人参+黄耆=参耆剤;元気を出す。
四君子湯(75)がベースとなって…

四君子湯+半夏・陳皮=六君子湯
四君子湯−茯苓+黄耆・柴胡・当帰・升麻・陳皮・大棗・乾姜=補中益気湯
四君子湯+四物湯+黄耆・桂皮=十全大補湯
十全大補湯−川芎+遠志・五味子・陳皮=人参養栄湯