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「健康経営」について

「健康経営」とは、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する経営手法である。コストではなく、「健康投資」と捉えることが重要だ。1つ前の記事で、なぜ健康経営を所管するのは厚労省ではなく、経産省なのかと記載したが、まさに企業経営の手法の1つとして、投資の1つとしての考えがあるため、経産省が所管しているということかと思う。経済を支えているのは企業や公共インフラだと思うが、それらを支えている「人」に改めて着目されているということ。

「健康経営」は、生産年齢人口の減少と従業員の高齢化、人手不足などの社会的課題を背景に、普及を進めている。細かいことは省略するが、将来的にはおそらく、年金も70歳支給開始になり、一般的な定年退職の定義も70歳まで引き上げられる(継続雇用制度含む)だろう。要するに、働き手の平均年齢が上がるため、従業員がとにかく健康で、しっかりと働けることが会社への収益貢献へつながり、製造業で言う設備投資と同じ意味を持つのだと思う。

平成28年4月に公表された「企業の『健康経営』ガイドブック改定第1版」(経済産業省)によると、健康経営は「従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えの下、健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践すること」と記載されている。

企業は、従業員の健康確保の法令順守に留まらず、組織活性化、生産性向上を目的に加え、業績向上、企業価値の向上を目指す従業員は、自身の健康増進を通じて、ワークエンゲージメントが高まる国は人生100年時代を見据え、健康経営の推進により、健康寿命の延伸と全世代型社会保障の構築を目指している。健康保険組合等が「データヘルス計画」を実施しており、これは健康経営と両輪をなすものであり、企業と連携して予防・健康づくりを行う「コラボヘルス」が重要になる。「健康スコアリングレポート」が2021年度から事業主単位で通知が開始されるので、今まで以上に、健康保険組合等と連携し、従業員の健康増進を図る構図が求められると思われる。

企業は労基法や労働安全衛生法(安衛法)等、法令順守を目的とした健康施策を講じているだけではダメだ。企業、従業員、国と3者ともにWin-Win-Winの効果を考えながら、効果的で実用的な健康投資を考える必要がある。

プロ野球やプロサッカーチームといったスポーツチームの選手が不健康なら勝負に勝てない可能性が高いのと同じで、企業は、ビジネスというフィールドで戦い、勝利を得るためには、従業員のフィジカルやメンタルを鍛える目的で投資をする必要があるということだ。今、巷では「Big Boss」こと、日本ハムファイターズの新庄監督がにぎわしているが、TOPが組織をこうしたい、この方向に導きたいという思いを発信するということがいかに影響力があるかということがわかる。(新庄さんの場合は別格であることはわかっているが、、、)健康経営もこのように、TOPがまずは従業員の健康についてコミットして、社内外へ発信していくことがスタート地点となる。次回に続く。

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