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初恋の追憶と昇華 ~プロローグ~

「初恋」
まさか、これが最初のエッセイの話題になるとは思わなかった。というのも、私の現在までの人生の中でもとりわけトップクラスの出来事だったからである。のっけから綴るような質量の記憶ではない。そもそも兼好法師とのギャップがすごすぎる。なんだこれは。そもそもこれを読んでるあなた、よくこのタイトルで入ってきてくれましたね。感謝します。

なぜ初恋についていきなり書き出すのか。簡単にいえば、友人が初恋について回想を残していたのをみて、じぶんの初恋を思い出してしまったからである。(なお、友人にはなんら責任はないし私が被害を被ったわけでもない。安心してくれ。)
「思い出してしまった」というからにはあの頃はよかったねで済む記憶というわけではない。かといって悲壮感漂う話でもない。否定的な表現ではあるが残念な記憶ではないのだ。ただただ、あの時までに味わったことのなかった膨大な種類の感情をあの悠久にも感じる(実際は二、三年くらいしかないのだが)時間をかけて発掘した経験、「言いようにも表せないもの」を深層から引きずり出してしまったのである。
思い出は美化されるとよく言われるが、本当にその規模の質量が元からこの話にのっかっていたのか、美化されて質量が増えたのかはもうわからない。初恋から数年しか経っていないのにどちらかわからないのはあの初恋の鉛とも呼べる一種の呪縛が初恋自体を昇華、もしくは封印、または忘却しようとしてたことを裏付けているのだろう。まあ最終的には、私自身がこの記憶を昇華させた。しかしまた呼び戻してしまった以上には私と、私の記憶自身が納得する形でまた成仏させなければならない。だがもしかしたら、この質量の謎についても分かるかもしれない。今度こそ、やっと成仏するような感覚がするのだ。一回目に昇華させるまでは思い出したくない記憶だったのだが、この二回目は進んで昇華させたい気持ちがとても沸き上がっている。楽しんでいる節もあるのだろうか、不思議な気分だ。

この記事のみで完結させようとしたのだがこれを文面に形として残すにはいささか根気がいる。前にも言ったが私は継続という力に乏しいのだ。そもそもこんな真面目に語る人間でもないのでなおさらかなりの労力がいる。真面目に振り切れるほど器用な人間じゃない。なので個分けにして残していくことにする。

明日の朝からサッカーやるのに夜にこんな労力を使って私は生きていられるのだろうか。そもそもわし受験期なんだわ。


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