リモートワークについて考えたこと
今年は、文字通り激動の一年だった。
特に企業の経営者にとっては、今まで経験したことがない種類の意思決定を迫られることの多い年だったのではないだろうか。
その中で最たるものが「コロナ禍での働き方にまつわる方針の決定」だろう。企業によって大きく対応が分かれたし、僕もこの1年を通じ、方針についてかなり時間を使って考えた。
この『「リモートワーク」をどう取り扱うか問題』は、今後その企業がどういう姿を目指していくのかの大きな分かれ目になると思っている。で、今年がその分かれ目の入口なので、後々振返ってみて、あそこで大きく変わったよねーと記憶される年になるはずである。
その記録という意味でも、ここで「リモートワーク」を中心とした働き方について、フィードフォースではこの1年を通してどのように考え、どのような方針を打ち出したのか?について紹介したいと思う。
今起こっていることは何なのか?
まず、長期の視点で見たときに今我々に起こっていることは果たして何なのか?というところから話をしたい。
過去、日本は大災害のたびにデジタルコミュニケーションを進化させてきた。阪神淡路大震災をきっかけにインターネットが普及し、東日本大震災ではtwitterが安否確認に大きな役割を果たすことで、一般層まで広く普及することになった。
そして、今回のコロナ禍で一気に普及が進んだのは、「リモートワーク・コミュニケーション」で、特にzoomに代表されるオンラインミーティングツールやslackのような企業チャットツールである。
個人的に、この流れはインターネットやtwitterがそうだったように、コロナが収束しても元に戻ることはない、不可逆なデジタルコミュニケーションの進化の一形態であると考えている。
リモートワーク中心の働き方でいく、と決めたときに何が重要になるのか?
実は僕はコロナによる問題が発生するまでは、会社としてのリモートワークの取組みについてあまり積極的ではなかった。(それは、いろんな理由があってのことだったのだけど、それを話すと長くなるのでここでは割愛させていただく。)
しかしながら、コロナが国内でも大きな問題になり始めた2月くらいから、ひたすら考えた結果、上で書いたように、これはデジタルコミュニケーションとしての正当な進化であり、今回リモートワーク中心に大きく舵を切るのはその進化の流れに乗ることであり、それなら早く適合するために、まずはリモートワーク中心にいち早くスイッチし、それを前提とした働き方のルールを決めたほうがいいと考えた。
6月の全社向けキックオフで発表したその内容がこちらになる。
少し補足すると、
1つ目は、「リモートになるとプロセスよりも成果で評価されるようになる」という言説があるが、ここで言いたいのは、プロセスよりアウトプットということではなく、リモート環境下では、プロセスとしてのアウトプットがないと誰も評価することができないので、きちんとプロセスも含めをアウトプットしましょう、というルール。
2つ目は、リモートになるとどうしても個人のアウトプット最大化を優先しがちになるが、我々のバリューにも「チームファースト」とあるように、まずチームのアウトプットが最大化されることを考えて、働き方をマネージャが調整する。メンバーはそれに協力し、個人のアウトプット最大化よりもチームのアウトプット最大化を優先しましょう、というルール。
である。
このようなシンプルなルールを作り、リモート中心の働き方に本格的に移行した。
半年たって、さらにリモート環境を活用
そこから半年後、リモート環境下でも、特に大きな問題もなく仕事が進められていること、業務へのマイナスの影響もないことが確認でき、社員へのアンケート結果からも、満足度高く働けていることがわかった。
それを踏まえ、下期のキックオフにおいて、さらにリモート環境を活用するための方針を打ち出した。
”全てのステークホルダーに対しリモート中心環境を最大限活用する”
上期まではあくまでも「社員の働き方」に限定した話だったが、リモートのメリットは、必ずしもそこにとどまらず、全てのステークホルダー(顧客、他グループ企業、他チーム、チームetc)ごとに新しいコミュニケーションの可能性があるので、下期はそれをしっかり実現していこう、という方針をたてた。
リモートワーク・コミュニケーションツールで物理的な境界線を越えることで、全方位に今までの何倍ものインプット・アウトプットが可能になり、そしてそれを繋げて、さらに相乗効果を生みだすことができるのでは?と考えている。
働くを豊かにするために
加えて、同時期に読んだ、Netflixの経営の考え方について書かれたこの本からも多くのインスピレーションを受けた。Netflixでは、いかに優れたプロフェッショナル人材を集めるか、というところにフォーカスし経営を行っているが、我々も、リモート中心の働き方に振り切るのであれば、それぞれが優れたプロフェッショナルとして動ける、ということは必須になる。
そして、そのことと我々のミッションである「働くを豊かにする」ということは実は同じ方向を向いているのではないか、ということを最近は良く考えている。このあたりは、下期から来期にかけてのテーマとしてしっかり考えていきたい。
いずれにせよ、冒頭に書いたように、『「リモートワーク」をどう取り扱うか問題』を起点に、今後フィードフォースではいろんなことが玉突きのように変わっていくに違いない。来年も「日々混沌、日々進化」の精神を存分に発揮し、ワクワクしながら、カオスな環境下のもとで進化した会社組織にチャレンジしていきたいと思っている。
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