知ったかぶりを直したい 〜『知ってるつもり 無知の化学』を読んで〜
わかっている。
わかっているんだけれども、なぜか言葉にできない。
話を聞いた時、本を読んだ時、そのときは「なるほど!」って思っても、いざ自分から言葉にしようとすると声が出ない。
何をどのように説明すればいいのか、わからない。
こんなこと、私以外の人も経験あるんだろうか。
わかっているつもり。
知っているつもり。
いつも私にまとわりついている。
この「知ったかぶりグセ」をなんとかしたい。
また「知ったかぶりグセ」を指摘されてしまった。
「この本をよめ」
会社の先輩から本を勧められた。
『知っているつもり 無知の科学』
ド直球なタイトルである。「いつも勉強しますって言ってるくせに、全然勉強しないんですね〜」
柔らかい言い方ではあるが、言っていることは結構きつい。
いや、その通りではあるんだけど。
会社の先輩にアドバイスをもらいにいったら、逆に突っ込まれてしまった。
なぜそれをやるのか理解しているのか、と。
普通の人なら当たり前のように質問して理解できるのだろう。
だけど、なぜか私は皆さんと同じようにできない。
先輩曰く、「自分事化していない。誰かが何かしてくる、と思っている。だから知っているだけで理解しようとしない。理解できないから実践できない」
全くもってのその通り。
もう、言葉の一つ一つがナイフのように私の心にグサリと刺さる。
紹介してもらった本を読まずにはいられなかった。
なんで私はわかったつもりになるのだろうか?
どうすれば、わかったつもりにならなくなるのか?
「知らないことは知らないと認めること」
本に書かれていたことだけれども、意外とできていない?
これまでの自分の言動を振り返ってみる。
誰かから質問された時、自分が知っていることを伝えるけれども反論される。
自分が知っていることが全てだと思っていないか?
多分、思っている。一つ新しい気づきがあればそれで満足してしまう。
新しい知識を日々取り入れようとしているか?
取り入れていない。ここ最近もニュースを全く見ないし、新しい勉強をしたこともない。
私は「自分が知らないことを認められない」人間だった。
じゃあどうする?
『知っているつもり』によれば、「知らない分野の仕事をしてみること」がいいらしい。
なるほど。
未経験の仕事をすれば必然的にわからない壁に当たる。
そこで何がわからないかがわかるようになるわけだ。
けれども私は新しい仕事を始めたにも関わらず、わかったつもりになってしまう。
なぜだろうか?
おそらく、本当は新しい仕事に関心がないのかもしれない。
関心があれば、わからないことが見つかるだろうし、周りの人に質問するはずだ。
まずは、関心を持つところから始めようか。
さらにこの本では「コミュニティ」の重要性も言及していた。
万有引力の法則を発見したニュートンも、過去の人たちが実験してきた成果を元に考えていた。
「巨人たちの肩に乗る」という言葉を初めて知った。
先人たちの発見や同年代の研究者たちとの意見交換があってこそ、ニュートンは万有引力の法則を発見できたのだと思う。
関心を共有しているコミュニティがあるから、人は知識を蓄えることができる。
知識はコミュニティの中にある。
『知っているつもり』によれば、「道具」の存在も重要だ。
現在はインターネットがある。
私たちはインターネットを使って他者の知識を知ることができる。
言い換えれば、他の人の脳を借りることができるのだ。
ただし、インターネットはすぐに検索できる反面、わからないことを知ることができるため、自分の知識を過大評価してしまうかもしれない。
私も当てはまる気がする。
なぜ私は「知ったかぶり」をするのだろうか?
おそらく自分が知っている狭い世界のことしか関心がないからだろう。
元々一人でいる人なので、色々なコミュニティと関わることがなかった。
だから私の脳内にはわずかな情報しかなく、私にとってそれらの情報が全てだと勘違いしている。
「無知は避けられないもの」
「自分が知らないことは、選べない」
本に書かれたいたことだ。
まずは何もわかっていない自分を受け入れること。
そして新しいことに関心を持つこと。
そんな小さな習慣が、知ったかぶりな自分を変えていくと思う。
この本の内容も知ったかぶりになってないか?
そんな不安がよぎる。
実際、本の内容を全部書き出せって言われたら無理だし。
そんな意味では、私もまだまだ「知っているつもり」という本を理解していないのかもしれない。
本を読んでも「わかったつもり」のままになっているのだ。
とりあえず、今自分が知っていることを紙に書き出してみようか。
意外と何も出てこないことに気が付く。
仕事、ニュース、そのほか色々。
本当はもっと書かれてもいい情報は?
おそらくそれが私が知っていないこと。
つまり「知ったかぶり」になっていることだと思う。
ネットを使って調べたり、人に聞いてみたり、自分で仮説を立てたり。
試行錯誤して知ったかぶりを直したい。
私を長年悩ませてきた知ったかぶりを直したい。
いい本を紹介してくれた会社の先輩に感謝。
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