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仕事の意義が語られるから、組織は魅力的になっていく

 興味深い論文が紹介されていました。論文を紹介してくださったのは紀藤 康行さん(カレッジ)です。これを読んで考えたことを、自分自身が忘れないために、記しておきたいと思います。

 採用面接では「長年力を入れてきたこと」を応募者に自身のエピソードとして話してもらうのは定番の質問かなと思いますが、なぜ定番なのか、それをこの論文が説明してくれたと思いました。
 堅実に粘り強く取り組む力、継続的に取り組み続ける力。それが「仕事の成果」につながっていくということを直感的に私たちは理解しているからなのだと思います。
 ただ、この論文を紹介くださった紀藤さんはもう一つ重要なポイントも紹介してくれています。

※https://note.com/courage_sapuri/n/nf8112d1e82b1より引用

 それがこの図(↑)です。この図では、
「忍耐力」は「仕事の意義感」「キャリアとしての仕事」「天職としての仕事」に対する認識によって「仕事の成果」に媒介される
が説明されています。
 紀藤さんは
「『忍耐力が高いと、仕事を有意義と思ったり、天職やキャリアとして仕事を感じさせ、仕事の成果に繋がる』ということです。(一方、仕事を有意義で、自分にとっての天職・キャリアと捉えるから、忍耐力が高まり、仕事の成果に繋がる、というのもあるかと思います)」
と説明を加えられています。

 この点もなるほどと合点がいくところです。仕事に意義を感じて取り組んできたかどうかは、そのエピソードを語るときのノンバーバルなコミュニケーションで伝わってきます(意気揚々と尽きないくらい話してくれるのか、用意されてきた作文を読むかのように話してくれるのか)。だから、採用面接で有効な、定番の質問になっているのではないかと思います。

 そして、媒介変数として挙げられている3つのポイントは職場におけるコミュニケーションに関しても大変参考になるものであると考えます。
 昨今は上司は部下との1on1コミュニケーションが重要と言われています。実際に導入されている企業も多いのではないでしょうか。部下のキャリア、今後の可能性についてや業務進捗状況の確認や相談ができる場として有効に使われはじめているのではないかと思います。
 その上で、この論文を紹介いただいた紀藤さんがまとめてくれたポイントを示唆としてとらえると、職場におけるコミュニケーションのテーマに「仕事の意義を語る」を採り入れることや、1on1で「キャリア/天職としての仕事」を話すということがこの媒介変数を起動させることになり、巡り巡ってその人個人の、さらにはチームの「仕事の成果」につながっていくのだろうとも考えました。
 私個人としては、この媒介変数が「忍耐力」と「仕事の成果」の両方に働きかけるような気もしています。この媒介変数が機能しているかどうかが組織の魅力になるのかもしれません。



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