見出し画像

フォーカルジストニア発症の原因


この記事を書いている私(土橋健一)は、これまで約10年間で延べ1000人以上の方に身体の使い方(アレクサンダーテクニーク)を教えてきました。
2016年〜2018年に大阪芸術大学舞台芸術学科で非常勤講師として身体の使い方(アレクサンダーテクニーク )を指導しました。
NLP(神経言語学プログラミング)という実践心理学のマスタープラクティショナーでもあります。
ピアニスト用姿勢バランスマット「ピアニーク」をプロデュース
NLP講師 結星蓉子さんとフォーカルジストニア快福堂共同主催
無料ライン相談 http://djq30f6d.autosns.app/line

フォーカルジストニアとは楽器演奏における特定の動作で、自分の意図と反して不随意で持続的な筋肉収縮を引き起こす神経疾患です。

フォーカルジストニアは現在の医療では発症の原因は明確に分かっておらず、治療法も確立されていない症状だとされています。

私はこれまでピアニストや発声障害、書痙、吃り、テニスイップス、野球イップスなどのジストニアの症状を持つ方と体の使い方のレッスン(アレクサンダーテクニーク)を行い、3ヶ月以上継続的にレッスンを受講された方は皆さん症状が回復され、体の状態と使い方が良くなった結果、ジストニア発症以前より良いパフォーマンスを発揮できるようになりました。

この経験からフォーカルジストニアは適切にアプローチすれば確実に回復していく症状だと考えています。

ここでは身体指導の専門家の立場から私個人の見解によるフォーカルジストニア発症の原因と改善法をお伝えします。

1.フォーカルジストニア発症の原因

1)ー1 筋肉のバランスの崩れ

 例えば、手の指を曲げようとした時、あるいは曲げようとしなくても、反対に意図せず指が伸びてしまう、フォーカルジストニアではこのような症状が見られます。ここで単純に指を動かす筋肉について考えてみます。筋肉は原則、収縮する(縮まる)ことしかできません。ある筋肉(主導筋)が収縮すると、その筋肉と拮抗する筋肉は弛緩します。   <(例) 腕を曲げる筋肉=上腕ニ頭筋を収縮させると(力こぶ)、反対側の腕を伸ばす筋肉=上腕三頭筋は弛緩する。(伸びる)>
 この主導筋と拮抗筋のバランスが極端に崩れると、特定の筋肉に力を入れて動かそうと思ってもその筋肉に力が入らないということが起こります。手指の場合でいうと、指を曲げる筋肉(主導筋)と伸ばす筋肉(拮抗筋)のバランスが崩れているわけです。
 筋肉は、筋膜を通して繋がっていて全身で連動して働くので、このような筋肉のアンバランスが全身で複雑に絡み合いながら症状を引き起こしていると考えられます。

1)ー2 脳-神経回路の伝達不調


 筋肉のバランスが崩れているということは、脳からその筋肉を動かす神経伝達に不具合が起こっているということです。特定の筋肉を動かす神経伝達回路だけが働き過ぎていて、別の神経伝達回路はあまり働かなくなっている状態です。
ですので、その働き過ぎている神経回路を休めてあげればまた回復してくると考えられます。

2)上記1)の奥にある根本的な原因

 不随意の動きが起きるまで筋肉のバランスが崩れ、脳-神経回路の伝達に不具合が起こるのは、その人が自覚するしないに関わらず相当なストレスがかかっていたと推測されます。
 それでも本番が続くなど止むを得ない事情で休めなかったり、失敗の出来ないプレッシャーがかかる精神状態が長く続いたり、本番での大きな失敗がトラウマとなり症状を引き起こすこともあります。フォーカルジストニアの根本的な解決には身体面だけでなくこのようなメンタル面の負担を考慮する必要があります。


2.フォーカルジストニアの改善法

出来事(演奏)に対する身体の反応の仕方を変える


 もし今あなたが演奏時にフォーカルジストニアのように不随意な動きが出るとします。その身体の反応は、あなたがこれまでに繰り返し選択し練習して身につけた動きの結果(後天的に身につけた癖)だといえます。そして、その動きを身につけたのと同じように、あなたは今とは違う新たな動き方を選択して身につけることが出来ます。

フォーカルジストニア改善の為にどのような動き方を身に付ければ良いかというと、それは不必要な緊張のない筋肉のバランスが取れた動き方です。

改善の過程で必要な要素は以下の3つです。

1.筋肉などの緊張と弛緩の違いを感じる身体感覚の感度を高める

私たちが何かを変えようするときにまず必要なことは、今自分に何が起きているか現状を把握することです。演奏時に筋肉が緊張して固くなっていたとしても、その緊張を自覚できなければ、固くなることをやめることはできません。ですので身体の使い方を変える始めの一歩は、筋肉などの緊張と弛緩の違いを感じる身体感覚を養うことが重要になります。

2.身体に負担をかけない楽で自然な動きを身につける

 身体の緊張と弛緩に気づけるようになると、過度に緊張したときに、その緊張に気づき緊張をやめることができるようになってきます。自分で緊張を止めることができるようになると、フォアーカルジストニアの症状は大きく改善します。なぜなら症状が起こるような動きを選択することが少なくなってくるからです。     その上で演奏時に過度に緊張し過ぎず、過度に緩み過ぎず、その間にある最適な筋肉のバランスで最大のパフォーマンスを発揮できる新たな動き方を身につけることがフォーカルジストニアの症状解消に導いてくれます。

3.メンタル面のサポート

これまで長期間にわたって行っていた動き方の癖を手放し、新たな動き方を身につける過程で、変化していく楽しみもありますが同時に心理的なストレスもあります。誰しも新しいことをやるには恐れが生じるものです。身体の動きは心の状態や考え方と密接につながっているので、動きの変化についていける心の変化も必要になってきます。
その為ジストニア快福堂では、身体面のレッスンと同時にメンタル面のサポートとして専門家によるカウンセリングも行っています。こちらのカウンセリングはNLPマスタープラクティショナーでカウンセラーの結星蓉子が担当します。

●こちらは音楽家のジストニア、フォーカルジストニアにお悩みの方専用の無料ライン相談室です。フォーカルジストニアでお悩みの方でご質問やご相談がある方は気軽にメッセージしてください。
https://djq30f6d.autosns.app/line


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?