日よけの効果算出ツール

日よけの効果を計算するツールを公開しました。・・・というか、いつのまにか公開していました。
もともと非住宅建築物用に作成されていたプログラムを若干アレンジして公開したものです。
お試しあれ。
正式に取り入れられるのは2021年4月からです。
ちなみに、このプログラムを適用すると、η値が下がるので、冷房Eが減りますが、暖房Eは増えるので、評価としては、多くの住宅が悪くなるかもしれません。(断熱性能が良くて暖房エネルギーと冷房エネルギーが同程度まできている住宅はこの限りではありません。集合住宅(中住戸)もしかり。)

これまで住宅ではオーバーハング型日よけしか認められておりませんでしたが、サイドフィンとボックス型も評価可能になる予定です。

なお、少しマニアックな話ですが、住宅に入ってくる日射起因の熱は、
窓の場合、
水平面全天日射量 ✕ 方位係数 ✕ 日よけの効果 ✕ ガラスの斜入射特性 ✕ 窓のη値
壁の場合、
水平面全天日射量 ✕ 方位係数 ✕ 日よけの効果 ✕ 壁のη値
となります。窓は、ガラスの斜入射特性を考えないといけないというのがポイントですね。

残念ながら、まだまだ、住宅の設計者には、「断熱をしてください。」というのを浸透させているフェーズです。平均的に、皆さん意識する時代になってきているとはいえ、まだまだ断熱、UA値議論して終わり。という設計者がほとんどで、日射のことまで考えている人は少ないような気がします(蒸暑地を除く)。(さらに設備のことを考えている人はもっと少ない。)
しかし、断熱は、簡単に言うと、断熱材を入れれば終わりじゃん!という、最終的にはあまり考えなくても、ゴリ押しが通じる世界なのに対し、日射の問題は、敷地計画やリビングをどこに配置するか等、計画にかなり依存する問題なので、実は突き詰めていくと計画論的にも非常におもしろい分野になると思っています。

いずれ、日射関係のシミュレーションが充実して、「車庫が~」「建ぺい率が~」「北側斜線が~」とかの判断に、「日当たりをうまく計画したらこのプランニングになりました。」みたいな思想が仲間入りすればいいなと思います。

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