副業経由で転職して感じたメリット・デメリット
私は昨年、副業で業務委託契約を結び稼働させていただいていた企業に転職しました。
私にとってはこれが初の転職だったのですが、非常に良い選択だったなと感じています。
また、副業で業務委託を行うことをただの副収入と考えている方には転職にもつながることを知っていただきたいと思います。
副業経由での転職による変化
年収は上がり、働き方はフルリモートから週2リモートに変わりました。一見、「フルリモートを捨てるまでの上がり幅ではないのでは?」と思われるかもしれませんが、今後のキャリアや給与テーブルの違いを考慮して転職に踏み切りました。
エンジニア向けの話ですが、扱う技術の違いは下記のようになっています。
副業の獲得経路
そもそも転職した副業先はどこから獲得したのかというと、先輩の紹介でした。紹介というか話をもらったけど単価的にやりたくないという先輩からつなぐか聞かれて繋いでもらったことがきっかけです。その後、エンジニアとの面談、経営者との面談を経て業務委託として参画させていただきました。
転職の経緯
前職もベンチャーだったのですが、フルリモート×フレックスだったのと上場に向けて監査などが入っていた影響でホワイトな環境にいました。
もちろん時々深夜や夜中に対応することもありましたが、それが全然許容できるくらいにはホワイトでした。
その環境だったことと仮想通貨で増やした借金もあったので副業で120~160時間とかなりの時間をかけて稼働をしていました。返済のために…
その副業先からずっと正社員にならないかという話を1年ほどかけて言われ続けているような状況だったんですよね。
そんな中、プロダクトの方向性や会社の方向性に疑問(詳細は本筋とズレるので最後に添えておきます)を抱き始め、そのタイミングで改めて正式に面談をして、オファーを受けることに。
結果、転職を決めることになりました。
SOも捨てることになりましたが、その点は転職によって上がる年収やその後のキャリアによって上がる年収と近い事業領域の会社の上場時の時価総額を元に計算した値を見て全く無問題と考えていました。
副業経由で転職して感じたメリット
私の場合は転職自体が初めてだったので「副業経由での転職」を一般的な求人媒体からの「転職」とは比較できないのですが、おそらく異なるであろうという点の中で感じたメリットを紹介します。
副業の時と同じメンバーと働くので最初から働きやすい
これは副業経由の転職にしかないメリットだと思います。
言ってしまえば業務委託として働いていたチームに正社員として入り直すだけですから、一緒に働くメンバーは変わりません。
もちろん他部署と関わることになるという点はありますが、メインで関わるチームは変わらないので最初からどういう人がいるのか分かっています。
副業時代にすでに働きやすいと感じられていいれば正社員として入ってもそりゃ働きやすいというシンプルな話です。
事前に内部情報を得てから入りやすい
私の場合、転職の軸の一つとして「すでに一定の売上・利益があり、評価されれば年収が上がるベンチャー」という点を設定していたので、その辺の実情を知ってから転職したいと考えていました。
実際に中に入ることで、ダッシュボードで実際の数値を確認したり、社長に直接話を聞くこともできたのでその点の不安は解消できました。
副業経由でなくともオープンワークなどネットにある情報にはアクセスできますが、実際の内部の声は聞けませんからね。
実際に年収は上がるのか。
財務状況はどうなのか。
何か隠されたデメリットはないのか。
リモート体制はどうなのか。
などなど。
実際に一緒に働かせてもらうことで採用担当が候補者に話すよりより深い内容を聞けます。
副業経由で転職して感じたデメリット
やはり、"副業経由"という点にこだわりすぎると、そもそも副業の業務委託を採用している会社に限定されてしまうのでその点は注意が必要と思っています。
確かにメリットは多いのですが、そもそも母数が限られるという話です。
副業は募集していないけど、働きやすくて、年収も良い会社もたくさんあると思うので、副業経由にこだわりすぎるのは良くないですね。
副業経由での転職をおすすめする人
デメリットを認識した上でもお勧めしたいのは、ベンチャー転職を考えている人ですね。
ベンチャーの多くは採用に課題があり、人手が足りないことが多いです。
大企業と違い、ネームバリューで応募者が来るわけではないのでそれなりに皆苦労しています。
そのため、副業の業務委託メンバーも採用していることが多いです。
また、ベンチャーの場合、メディアなどに露出している数値は良くても内情では苦しいことも結構あります。
ECの会社で言うと流通総額は凄くても実際の売上、そして利益が小さいなどです。
その辺の実情とのギャップやその会社のカルチャー、一緒に働く人など様々な点を検討する良い機会になるはずです。
副業経由での転職をするなら考えるべきこと
そもそも「副業経由の転職を狙う」というのはやめておくべきと考えています。なぜなら、最初から転職目的で絞り込み、良い会社に出会うというのは相当に難しいと思うからです。
そうではなく、前提として副業で副収入や成長を得るという目的で複数社で働き、オファーをもらった中で本当に良さそうな会社だと思えた場合のみ転職すべきだと思います。
なので、考えるべきは副業を使っていかにたくさんの会社での経験が出来るかというところだと思います。
そのために、副業として関わってみてよくなさそうと思ったらなるべく早く契約を解除する。そして、新たな副業先を見つけより多くの会社と関わるということを念頭に副業の案件獲得の面談力を付けたり、経歴書を磨き込むなどがまずやるべきことかと思います。
相当よくなさそうと思わない限りは半年~1年単位で検討していくのが良いでしょう。短すぎたら得られる情報も限られますし、長すぎると機会損失になると思うので。
その中で「ここに転職したい!」と強く思える企業に出会ったら転職するのがベストです。
最後に
私が考えるメリット・デメリットを考慮の上、選択肢の一つとして頭に入れておいていただけると転職の幅が広がると思います。
業務委託として副業をやっていくのであれば、ただ報酬を得るよりは転職に繋げたり、スキルアップを念頭に考えるなどより多くを狙っていきましょう。
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【補足】転職を決意するきっかけになった疑問
疑問というのは、主に2点で
① 会社が担当プロダクトに力を入れていなさそう
② モダンな技術に移行するなど活発に改善活動をしていく気はなさそう
③ キャリアとしてプロダクトマネージャー方向に進みたい
ということでした。
「何も成し遂げていないのに随分と偉そうだな。」と思われるかもしれませんが、当時自分なりにキャリアを考えて出た疑問です。
メインプロダクトが別であり、同じ領域の中のニッチを狙ったプロダクトでした。そのプロダクトに関わるチームではポジションに穴ができても埋める動きがなかったり、売上が急降下しても特に対策の動きもなかったりとなるべくコストをかけずにサービス運営を継続させて、会社全体の評価を落とさないようにするのが目的になってしまっているのではないかと感じるようになりました。
そうすると開発的にも、軽微な修正や文言変更によるABテスト、社内で使う業務用プロダクトの改善要望対応のようなタスクしかやることがなくなっていきます。結果、面白みや成長を感じにくくなっていました。
② は①の話と重なるのですが、コスト抑えるために新しいものを入れたり、新規に採用するなども動きもなく、より優れた体験にするためにリッチなUIを実現するような動きも今後あるようには思えませんでした。
もちろんモダンな技術にするのが常に正しいとは思っていませんが、売上がしばらくの間伸びていない中で抜本的に体験を変えていくなどの動きはなく完全に問題が起きたら直すだけのような形の開発しかないのはどうにも数値が改善するようには思えませんでした。また、そのため、技術的な課題をガンガン解説していくということもなく、慣れた技術で現状維持がメインになりこのままでは成長はないと考えていました。
最後にプロダクトマネージャー方向に進みたいというのは、エンジニアとして働く中で考えていたことでした。前職では基本的にチームのタスクは経営陣と執行役員が考えた施策の範囲内での改善活動しかできませんでした。しかし、新しい機能を作って、その機能がよく使われることで売り上げにつながったり、リピート率の向上に繋がるなどの体験をするために考えるところから関わりたいと思っていたんですよね。決まったものを作るだけではなく。その点で前職の組織構造ではそのような職もそう言ったフローも存在しなかったことも転職を決意する決め手の一つの要素でした。前職でもそのためにまだ出来ることはあったなと反省するところは多いのですが、ね。
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