自主制作映画の作り方・2 企画編

こんにちは。
映像作家・俳優の田代健二です。
今年の秋に自主制作の短編映画を撮る予定です。

今回は自主制作映画の「企画」について書いてきます。

1本の映画を作るのにどのくらいの工程が要るのかというと、だいたいこんな感じです。

画像1

手間がすごいんじゃ〜。

……はい。すみません。(笑)

話を戻しますと、今回書いていく「企画」というのは、
1. どんな作品にするのか
2. どのくらいの予算で作るのか
3. どのくらいの時間で作るのか
4. どこに売り込んでいくのか
の4つをきちんと考えるということです。

自主映画だとどうしても想いが先に立ってしまって、「現実的にちゃんと撮りきれるのか」という視点をいつの間にか無くしてしまうことがよく見受けられます。その結果、「がんばろう!」「がんばらなきゃ!」と言い合うだけという、悪いスパイラルに陥りがちです。

それを防ぐための資金計画と撮影計画。
「企画」が全てなのです。

商業映画の基本的なプロセスは、
・20代~30代女性をメインターゲットに設定するとしたら
・〇〇万部発行された漫画を原作に
・最近、〇〇賞を獲った若手監督を起用して
・〇万くらいの集客を見込めるモデル or アイドル系俳優を
 中心にキャスティングして
・〇〇劇場での〇年〇月の公開を目標にして
・〇ヶ月~〇年で作る
というような形が多いかと思います。

「仕事」として映画を作るとしたら、こういった「数字」から入るのは絶対に必要な考え方です。
劇場を押さえるのが先か、クリエイター主導で「作品」を作り、「商品」としての売り込み方=宣伝・配給のことは後から考えるのか。
色んな形がありますが、いずれにしても基準となるのは「数字」です。

僕のnoteでは、もうちょっとフワッとした、幼いモノづくりの話を。
・想いの詰まったものを、信頼できる人たちと一緒に作りたい
・それを出来るだけ多くの人に楽しんでもらいたい
そんな話をしていこうと思います。

さて、自分で書いておいてなんですが、「4. どこに売り込んでいくのか」については割愛させてください。
僕はまだまだ、映画・映像業界とのつながりや劇場さんとのお付き合いが薄く、それを少しずつ広げていくために、国内・海外映画祭への出品をしようとしている段階です。
ですので、そういうペーペーの視点からの話とご理解ください。

「1. どんな作品にするのか」についてですが。
想いがちゃんと詰まっていたら、どんなストーリーでもいいと僕は思います。
ですが、なるべく【屋内】や【身近な場所】で展開されるストーリーをおすすめします。
屋外でのロケは、人通りの多さ、車の音がうるさくないか、使用許可が取れる場所なのか、トイレや着替え場所は近くにあるのか、車両は入っていけるのか、どこに駐車しておくのか、などなどチェックしておかなければいけない要素が意外と多いのです。

僕が今、秋に撮ろうとしている短編の場合、『幼馴染の二人が久々に東京のバーで会う』というシンプルな設定で、バーを数日程度お借りする予定です。

次に、「2. どのくらいの予算で作るのか」「3. どのくらいの時間で作るのか」なのですが、ここをしっかり見極めるには、経験値が必要です。
僕の場合は、
・俳優さんは稽古も含めて拘束時間が長いので、1撮影日あたり5000円。
・それ以外の方は、一部の特殊技術スタッフを除いて、交通費程度のお礼。
というルールの下に予算を組むことが多いです。

今、準備している短編企画ですと、
・だいたい半年かけて準備して、15万円以内に撮りきるぞ
という感じです。
ですが、これは機材をあらかじめ買いそろえている場合なので、しっかりした機材をレンタルするとなると、この倍はかかることが多いです。

いかがでしょう?

個人で映画を作るって、、、大変じゃね?
そんな声が聞こえてきそうです。まあ、その通りなんですが。(笑)

でも今の時代、iPhoneだけでも映画は撮れます。
友達に頼んでなにかやってもらって、それをiPhoneで撮って、音楽をフリー素材サイトからダウンロードして、iPhoneに元々入っているiMovieで編集して。
これだけでも立派な作品になります。

でも、もっともっとしっかり作りたいんだ!
そんな風に思ったなら、絶対に「協力者」や「仲間」が必要です。

ダンサーは曲さえあれば一人で踊れます。ミュージシャンは一人でも曲作りができます。画家は一人で絵を描くことができます。
でも、映画作りはなかなかそうはいかない。

だからこそ「企画」が全てなのです。

自分はこういう想いを持っていて、こんな作品が作りたいんだ。
そのためにこんな準備をしてきた。
大変だけど、実現できれば、きっと良いものになる。
一緒に楽しんで、やっていけないかな?

「言うは易く行うは難し」と言いますが、映画作りにおいては「言う力」、「言葉にする力」が一番大切だと僕は考えています。
上のようなことを、まずは書き言葉として企画書に落とし込む力、それを話し言葉にして人に伝えていける力が、何より必要なのです。

数字と想い。
両方、大事なのです。

次回は制作編、書類作りなどについて書いていこうと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!

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映像作家・俳優 田代健二
オウンドメディア:https://nexinema.com/
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