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変化を阻む「自我親和性」とは?:成長する自分を取り戻すヒント

「明らかにうまくいっていないのに、なぜ問題意識すら持たないの?」
「深刻な問題と訴えても全然伝わらないし、そのうち怒り出す始末。理解できない」
こういった経験は、誰にでもあることでしょう。この奇妙とも思える現象は頻繁に起こりがち。そして意外なことに程度の差こそあれ、誰でもそういう面があったりします。ただそれを自覚することは難しい。その原因の一つとして過度な自我親和性があります。問題を問題として自覚しづらいので、解決も困難になる。そんな状態をもたらしやすい自我親和性とは何か。そして停滞から抜け出すヒントをお伝えします。

自我親和性って何?

自我親和性とは自分の考えや行動、周りの状況に関して、違和感がないこと。しっくりきている状態のことですね。そしてこの自我親和性。本来は、良いも悪いもありません。それは違和感や、不快感を感じる自我異所性も同じ。良いも悪いもありません。単なる感じ方に過ぎないからです。

自我親和性がマイナスに作用するとき

ただ自我親和性がマイナスに働くことがあります。第三者から見ると明らかに問題と思えることに何の違和感もなく、それが好きですらある時です。以下に実例を挙げます。

例1: 喫煙者
タバコの健康への悪影響は広く知られています。自分の喫煙習慣に対し自我親和性があると、喫煙が自分にとって当たり前のものと感じられ、健康リスクが高まり医師から禁煙を命じられても、なかなか受け入れられず、問題意識も希薄だったりします。

例2: 仕事の方法
ある会社で、部署のリーダーが長年続けてきた仕事の方法に、自我親和性があったとします。そのリーダーは、自分のやり方に何の違和感もなく、新しいアイデアや効率的な手法を提案されても、根拠なく不愉快になり、それを受け入れることが難しくなります。結果的に部署全体の業務効率が低下し、問題が生じる可能性があります。

例3: ダイエットと運動習慣
ダイエットや運動習慣に関して、自分の方法に固執することがあります。うまくいっていない時に、専門家から他の効果的な方法が提案されたとしても、強い違和感があるので、それを受け入れることが困難に。その結果、体調不良やリバウンドに繋がることがあります。

これらの実例からわかるように、強すぎる自我親和性は、本人にとって明らかに問題がある状況においても、自分の考え、感じ方、行動に固執しやすいです。

過度な自我親和性が起きるメカニズム

ではなぜ、過度な自我親和性が起きてしまうのでしょうか。それは心理的な防衛機制が関係しています。自分や他人の感情や行動に対する理解を歪める心理的プロセスです。不安やストレスを軽減するために働きます。
前述のようにデメリットが多い行動であるにも関わらず、しっくりきていたりします。逆に解決につながる考え方や行動には違和感、嫌悪感が出てきたりします。そのため問題があっても心穏やかでいられる、という短期的メリットがあります。
問題に対し心の奥底に強い恐怖や不安があっても、それに向き合うのは辛いので、過度な自我親和性で心の安定を保とうとします。

過度な自我親和性への対処法

他人からのフィードバックを重視する

すでに説明した心のメカニズムのため自分で気づき、自分で変わることは、極めて困難です。そんな時は耳が痛いことを、あえて言ってくれる人は、とてもありがたい存在です。でも何か言われると反射的に違和感を感じ、その意見を排除したくなることでしょう。その反応は避けられませんが、少し時間を空けてから、吟味してみるのはお勧めです。ただフィードバックする人は、必ずしも有益とは限りません。単にマウンティングする人、アドバイスすることで優位に立ちたい人と、有益な苦言を呈してくれる人を区別することが大切です。

客観性を高める

主観に偏ると過度な自我親和性も強くなる傾向があります。出来事に対し、感情抜きにした把握が大切です。5W1Hを軸にして状況や把握するようにしましょう。そして自分や周りにとって、どんな影響があるのか吟味してみましょう。客観性が高まってくると、健全な違和感を持てるようになります。

自分の思考や感情に対する感受性を高める

過度な自我親和性がある人は、自分の思考や感情に気づくのが苦手な傾向があります。これ自体、心理的防衛機制と言えます。心の奥底に強い不安や恐怖があるからこそ感受性を鈍らせ、感じない状態に陥っている。そのため感受性を高めていくことに、違和感は避けられません。少しずつ心の奥底の、強い不安や恐怖を自覚していくことは大切です。外側の出来事だけでなく、自分の内面に対しても客観的な視点から観察することが役立ちます。

まとめ

過度な自我親和性を放置すると、自分や周りの人にとって不利益になることが多いです。まずはご紹介した対処法を、ご自身の長期的なメリットのために試してみましょう。心の防衛機制が関係しているので、一筋縄でいかないことも多いです。中々手応えが感じられなくても、ゆっくり自分のペースで進めていきましょう。

このページの写真は、4月17日(月)に
高牟禮(たかむれ)がウォーキング中に撮ったものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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