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インタビューサイト・ユーフォニアム インタビュー・2020

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「インタビューサイト・ユーフォニアム」の2020年掲載インタビューの特設マガジンサイトです。 無料ですが、カンパも受け付けますよ(笑) また、インタビューを受けてくれる方も募集中… もっと読む
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#社会

田中康雄さん(児童精神科医)インタビュー前編・5

権力に対する諦め 田中:大義をどこに持っているかというのがきっとあるんだと思いますけれども。だから安倍さんがなかなか難しいのは彼が守ろうとしているのが最終的にこの国の繁栄ではなく、安倍さん個人の保守というか、そういうのが見え隠れしちゃうのがきっと彼が損する点なんだと思うんですよね。いさぎよくない、というかね。 杉本:哲学はあるんでしょうか?あのかたはポジティヴなことをやたらと言いたがってるんですけど。もはや癖のように、「私の責任において」と、ポジティヴらしきことを盛んに言

田中康雄さん(児童精神科医)インタビュー前編・4

アンビバレントな感情の行く末 杉本:そこで連想でお尋ねしたいんですけど、アンビバレントな感じっていろんな形があって、いま起きている現象って、「出たいけど、出れない」とか、「出なければいけないけど、外出できない」とか。例えば依存症などもそうですね。「やめなければいけないと頭では分かっているけれど、やってしまう」。覚せい剤とかをやってしまう、やめられないとか。それは昔からあるんだけれど、ひきこもりにしてもどうしたらいいのかわかるけど、やっぱり身体がそれに乗れない。それはやっぱり

田中康雄さん(児童精神科医)インタビュー前編・3

父による切断がない時代 田中:そうですね。あの…お母さんご自身が耐えつつも、父のいわゆる切断機能というのですかね。お子さんを家族から切断して社会に飛び出させる力というのが、お父さんの力。で、切断して社会に出たけれども、キツすぎて帰ってきたときに包み込むのがお母さんの役割というのが、かつての父的立場、母的立場なんだけれども、切断する力が弱くなったため、社会にとびだたせる力が弱まってしまったがゆえに包み込んでしまうというか、留まってしまっていいよという流れのほうが強くなってきて