マーケからUXへ移って1年経ってわかった最も大きな違い

ウェブマーケターからUXデザイナーへ移行して早1年以上過ぎました。

ウェブマーケターとUXデザイナーで使う頭が違うなと感じる部分があると感じているので、学んだこと、感じていることをまとめてみようと思います。

なぜ転向したかの理由はウェブマーケターからUXデザイナーに転向しました。その理由と今後の展望を御覧ください(はてブに飛びます)

以前と今の違い

そもそもお前誰やねんということもあるかと思うので、以前やっていたことと今やっていることを比較します。

▼以前

役職:ウェブマーケター 有料集客(Listing, Display広告)担当

役割:より多くの顧客をできるだけ安く集める

仕事:予算内でのパフォーマンスの最大化(攻め)、コスト管理・予測(守り)

▼今

役職:UXデザイナー PO(Product Owner)→POのリーダー(PMに近い)

役割:サービス内のユーザー体験向上して売上を上げる

仕事:新しい機能の提供(攻め)、運用保守(守り)、チームマネジメント


ざっくりいうと、ウェブマーケターは人を集める人、UXデザイナーはよりサイトを使いやすくする人です。


マーケターとUXデザイナーの最も大きな違いはなにか?

ウェブマーケターは手法を改善するのが仕事

UXデザイナーは何を作るかを決めるのが仕事

HowからWhatに変わったと思っています。


ウェブマーケは外部環境やカスタマーの行動に応じてある程度チャネルというものが決まっています(SEOなのか、SEMなのか、SNSなのかアフィリエイトなのかとか)

ユーザーがサイトまたはアプリに流入してくる大きなルートは大抵決まっているため、必然的に使うチャネルをはある程度決まります。

それぞれのチャネルで改善するための変数も、ある程度決まっているので、最終的にはいかに効率を改善するかというHowの部分に帰着します。

つまりウェブマーケは手法をいかに最適化していくかが主な仕事になります。

例えば、Google広告でいうとCPC、CVR、CTRなどの各KPIに分かれ、CTRで言えば、広告文という変数の改善などになるかと思います。広告文の改善をいかにより効率的に行うかなどの手法の部分が磨かれるかと思います。

(※あくまで、それぞれのチャネルを個別管理している組織の場合であって、オフラインからオンラインまで統合的なマーケティングができてる組織では違うかもしれません)


対してUXはユーザーが普遍的に使う機能というものはある程度存在するものの、ユーザー属性やサービスによって変わってくるものが多いです。

そのため、特定の機能の特定の変数をいじるとうまくいく。というのが一概に言えません。

例えば、絞り込み検索機能などは一般的かと思いますが、絞り込み機能のうち項目を増やす、項目を整理する、デザインをきれいにするなど無数の打ち手がある中でどれがユーザーに刺さるかはわからず、サービスによっても変わります。

ましてや新しい機能をリリースするとすれば、既存ユーザーのCVRをより上げるものとざっくりいっても手法は無数にあるかと思います。

手法が無数にあるからこそ、どう手法を改善するかよりも、何を作るべきかを決めることがメインの仕事となります。


じゃあ具体的にマーケターとUXではどういうスキルやスタンスの違いが必要か?

マーケターは手法を改善するので、手法に対して熟達する必要が出てきます。

SEOならSEOの最新を知る、広告なら広告の最新を知る。その上で、新しい機能の組み合わせや、システムなどを介してより手法を高度化していく。そんなスキルが必要かと思います。だからこそマーケターの方がスペシャリストっぽい人が多く、即戦力にもなりやすいので、コンサルなどが多いんだと思いますね。(スキルや知識を切り売りしやすい)


UXやプロダクト寄りの人はどうか?先述のとおり、何を作るか決めることが仕事です。

つまり、

①より多くのソリューションを洗い出す

②収束させる・意思決定する

ことが仕事です。

①のより多くのソリューションを出すためには、

いわゆる3C的観点で、「徹底的ユーザー視点、競合、自社のケーパビリティ」などを加味しつつ、多くの人を巻き込んで出していく事が不可欠だと思います。いわゆるUXと呼ばれる業界は、特にこの中の徹底的なユーザー視点にフォーカスが当たっていることが多く、ビジネス開発やビジネス戦略は後者2つに重みがあるかもしれませんね。

②の意思決定は、

いわゆるビジネス的観点が重要で、主にROIが見合うかで判断します。その際のInvestmentについめは工数≒どれくらいのお金をかけるかという部分なので、わりかし要件さえ決められればわかります。対して、Return≒売上の部分はなかなか難しいです。

類似案件があれば、それを参考にした近似のリターンを求めることができますが、やったことないものだと市場との乖離や白地という部分でしか語れなかったり、本番に近しい実験をするしかありません。


このように比較すると、マーケターは外部に目を向ける。UXは内部に目を向けることかな思います。

マーケターは外部に目を向けて、「業界のトレンドがどうなってるか、イカした手法を使ってる会社はどのようなことをしているのか、最先端のツールやテクノロジーは何か」というようなエンジニアに近いスタンスや物の考え方をするかなと思います。UXは、「業界のトレンドよりも自分のカスタマーはどうなのか、自社の強みや弱みは何か」というような、内部に向けた視点や洞察がより重要な気がします。


まとめ

外部に目を向ける、内部に目を向ける。これらは両方大事だと思います。

当たり前ですが、両方の車輪をバランスよく回すことが必要です。実際、マーケを抜けてから外部情報についてのキャッチアップスピードは遅くなった気がします。逆に、内部情報や内部のデータ分析は圧倒的にUXに来てから多くするようになりました。

自分は両方を経験しているからこそ、マーケという集客方法、そしてUXという集客してからのユーザーの行動。両方の架け橋となるような動き方だったり、両方の相互作用を深く理解しながら事業をやっていければ良いなと思っています。


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