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カラオケ「まねきねこ」コシダカホールディングスのマーケティングトレース

ハロー皆様!
私のnoteをご覧下さり、本当にありがとうございます!
都内の自動車部品の商社で営業企画・広報等をやりつつ、中小企業診断士を目指して勉強中の「イズケン」と申します。

こちらのnoteでは、フレームワークを使い企業の成功事例を紐解く「マーケティングトレース」を実践し掲載しています。

「マーケティングトレース」について知りたい方はこちらから!

今回はカラオケの「まねきねこ」について書いてみたいと思います。

■取り上げた理由

ずばり、今日娘と行ったばかりで気になったから、というしょうもない理由で今回のテーマに取り上げています(笑)

本日伺った「大鳥居店」は、つい先日まではビュッフェを売りにしたステーキハウスだったところに先日オープンしました。また、会社の駅前のコロナの影響で閉店してしまった「カラオケ館」の後にも居抜きで出店しており、精力的に店舗拡大を行っている会社であることが伺えます。

ではフレームワークでの分析前に、まずは会社情報を見て行きましょう。

■会社情報

腰高さんって苗字初めて聞きました。

「まねきねこ」は株式会社コシダカによって運営されているカラオケチェーンです。2021年の売上高は207億と意外と低めに感じたんですが(失礼!)、ところがどっこい業界シェアは2位。カラオケの市場って意外と小さいんですね!(またまた失礼!)この辺りは後で詳細を見て行きましょう。

温浴事業もありますが、セグメント別業績を見るとやはり主力は「カラオケ」事業であることがわかります。

ちなみに、ホールディングカンパニーの「コシダカホールディングス」は2016年に上場、現在も東証プライムとして取り扱われている上場企業です。

ではここからフレームワークを使って分析をしていってみたいと思います。

■PEST分析

では、早速PEST分析でマクロ的視点から外的要因を探って行きましょう。

政治(POLITICS)

これはなんといっても新型コロナウイルスへの対策として政府が実施した、外出規制やアルコール提供の禁止・時間制限などの影響が大きいでしょう。
飲食や宿泊と同じく「生活関連サービス業・娯楽業」はコロナ禍で最も打撃を受けた業界と言えます。

経済(ECONOMY)

コロナ禍の影響もありカラオケ業界の売上は大きく落ち込むことになります。

1996年頃には1兆円を超える市場でしたが、その後縮小・横這いが続いていた中コロナが襲い、トドメを刺されたという感じですね。

社会(SOCIETY)

社会人の皆さんがカラオケに行くのは、会社の飲み会の二次会が多いのではないでしょうか?

このコロナ禍の影響で多くの企業がテレワークを採用し、働き方も大きく変容しました。今後コロナが収束しても従来の様に毎日出社する社員は少なくなり、勤務後の「飲みニケーション」は激減するでしょう。それに伴い、サラリーマンのカラオケ利用も圧倒的に落ち込むと見込まれます。

また、一部マスコミの報道により、カラオケのイメージもダウンし、顧客離れが起こってしまったことも業界に暗い影を落としていると言えるでしょう。

テクノロジー(TECHNOLOGY)

自分のスマホの動画をモニターに映せる「ミラーリング」が一般的になって来ています。業界シェアNo.1の第一興商の「BIG ECHO」ではAIを導入。精密な採点や、自分の声がオリジナルの歌手の声になる技術も提供しています。

誰でも持田香織の声になれる「なりきりマイク」!相方も認めてます(笑)

さぁ、これでなんとなくカラオケ業界の状況が見えてきた気がしますね。
ここからは「まねきねこ」が、生き残りをかけてどの様なアプローチをとっているのか見て行きたいと思います!

■4P分析

マクロ分析はPESTで終了して、この様な状況下で「まねきねこ」がどの様なマーケティング戦略を取っているのかを探っていきましょう。
4C分析を使っていきます。

商品(Product)

通常のカラオケサービスに加え、「ミラPon!」という「ミラーリングサービス」を提供。自分のスマホで映画やライブを流せば、客室のモニターと音響施設で迫力ある映像・音楽を楽しむことが出来ます。

また、一人でカラオケを楽しみたいユーザーのために専門店の「ワンカラ」を2011年にオープン。コロナ禍には「ゼロ密カラオケ/0密カラオケ」として打ち出しを行ないました。

手軽に「THE FIRST TAKE」の様な動画をレコーディングできる「KARASTA x ONEREC」はミクシィとの共同開発。

本格的なライティングで、3つの一眼レフカメラで撮影出来るのですが、ポイントは自動的にアングルが変わること。これによりかなりそれっぽい動画になります。

録画した動画は簡単に自分のスマホにダウンロードすることが出来、SNSにも手軽にアップロードすることが出来ます。

こんな感じで録れるそうです。

これはいい!今度僕もやってみよう~っと。

価格(Price)

飲食物の持ち込みOKや、学割・午前割(12時までの朝うたは30分で税抜10円!)もあり、競合店と比べても安めの設定の様です。
他社はVIPルーム等を設けて部屋の単価を上げていたりしますが、「まねきねこ」はその様なアプローチは取っていない様です。

流通(Place)

ビジネスの性質上、流通では無く出店場所として考えて行きたいと思います。「まねきねこ」は国内に559店舗を展開(2022年9月現在)。コロナ禍で
閉店した店舗の居抜き物件を精力的に取得し出店しています。

ピンチをチャンスととらえ、大胆な出店戦略を取っているのは好感が持てます。カラオケ需要がどれ位戻るかにかかる部分も大きそうですが、「まねきねこ」ならではの付加価値を生み出せればリターンはしっかりありそうですね。拠点が増えれば売上が上がるのは当たり前ですが、その分販管費等も増えてきますので客単価を上げていくことが必須と言えそうです。

ちなみに、韓国、マレーシア、インドネシア、タイにも進出している様です。(シンガポールも出店していたが撤退)

広告(Promotion)

まず今回「まねきねこ」に行ったきっかけは、オープン案内のDMが家に届いたからでした。その他にはどの様なプロモーション活動をしているのでしょうか。

Twitterを見ますと、フォロワーは4万7,000人。BIG ECHOは6万人、カラオケ館は8.5万人、コートダジュールは4.5万人程度。

フォロー&リツイートでのプレゼントキャンペーンでフォロワーを稼いでいる他、女性ファンが多いと思われるアニメやゲームとのコラボレーションも行い、来店時コラボドリンクを注文でグッズプレゼント、という手法を取っている様です。

Youtubeの公式は「一応やっている」と言う感じでしたが、競合他社を見てみても大差は無い様でした。ただ、そんな中でもボイストレーナーの白石涼さんを起用しての川崎鷹也さんとのコラボ企画は30万回を超えて再生されていました。

本人に歌い方を教えてもらった後、まねきねこの「KARASTA x ONEREC」で歌ってみてMVを録る、という非常に正攻法なアプローチで一定の効果を上げているかと思います。

ただ、パッと見る限りここで終わっているのがすごく惜しい!

特設サイトの下部には「そのほかの動画はこちら!」とあるのですが・・・

飛んでみると別の動画は一つもない・・・・。

こういうのはちょっと頂けないかな、と思います。

Youtubeで歌が上手い人にどんどんアップしてもらい、「こういう動画を自分も撮りたい!」と思ってもらえる潜在顧客にアプローチ出来る様な施策を打てればなお良いのかなと思いました。

人気歌手をアンバサダー兼審査員で起用して動画コンテストを実施、優勝者は有名プロデューサーの楽曲提供で1曲レコーディング・配信の権利を獲得、とか。もうやっているのかもですが(笑)

話は変わり、シニア向けのプロモーションも行っているのも印象的。

土日や平日の日中にカラオケに行くと、意外にシニアの方が多いのに気づきます。「無料」でシニア人気の高い「歌声サロン」の動画を観覧出来るようにして、来店を促す様にしている所は興味深いです。

郊外をメインに20店舗ほどで実施している様です。

■最後に

とまぁこんな感じで「マーケティングトレース」をさせて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。見ず知らずの私の書いた文章を読むのに、貴重なお時間を頂き、本当にありがとうございました。

今回で5回目の試みですが、どの企業さんも厳しい時代を生き抜くためにありとあらゆる努力をされていて、本当に背筋が伸びる思いです。事業会社で、ましてや上場している企業なので利益増を追求するのは当たり前なのですが、つらくても決してくじけずに創意工夫を重ねる姿を見ていると、やっぱりビジネスっていいなー、人の営みって素晴らしいな、と思うのです。

私もしっかり切磋琢磨し、世の中のビジネスにもっと貢献できる人間になりたいと思います!

それでは今回はこの辺で!

良かったら過去の投稿もご覧頂けたら嬉しいです。



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