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私的詩手帳

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#立冬

(詩)立冬

冷たくけむる空気を
見えない編み棒で編むように
朝っぱらからギターは響く
その振動が減衰する果てに
届くべき鼓膜がないとしても

孤独と退屈とは異なる
教えてくれた人はもう遠く
そんなことを思い出したり
思い出さなかったりしながら
ガットギターはつまびかれる

離れゆく虚無の日々も
無駄ではなかったと信じることが
良いのか悪いのかその戸惑いだけを
淹れたてのコーヒーに溶かした
砂糖とクリームのよう

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