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私的詩手帳

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_人人人人_ > 突然の詩 <  ̄Y^Y^Y^Y^ ̄
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2021年9月の記事一覧

君が来い

春を待ってた私を置いて
君はさっさと春を呼び寄せ
春の向こうへ行ってしまった
私は待ったまま
春を待ったまま

君は別れ際に言ったね
春よ来いなんて
待ってられなかったから
言ってやったんだよ
春が来いって

私もそんな風に
言ってみたならば
春を呼び寄せてあなたに
追いつけるのだろうけれど
君みたいになれそうになくて

だから私はもう少し
春を待ってみることにします
締まった大地がほころぶまで

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もやもや

もやもやは
もやもやと
たゆたって
たゆたった

もやもやを
解き放ち
たゆたうの
眺めてる

もやもやと
もやもやと
雲のよに
もやもやと

もやもやが
風の街
巡りめぐり
帰るまで

もやもやは
たゆたって
ぼく一人
あくびして

もやもやは
連れてきた
もう一つ
もやもやを

もやもやと
もやもやが
もやもやと
絡みあう

もやもやを
抱きしめて
夕焼けの
帰り道

もやもやを
抱えては

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(詩)われわれは迷うことができる

われわれは迷うことができる
いつであってもどこであっても

われわれは迷うことができる
誰かにせかされ求められることもなく

われわれは迷うことができる
ひとりで みんなで 離れていても

われわれは迷うことができる
善いことか悪いことかを捨ておいて

われわれは迷うことができる
迷いのなさをあこがれのように眺めながら

われわれは迷うことができる
選択肢がひとつでも 手を伸ばすことに

われわれ

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