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森林が身近にあるということ

D. Rydberg, J. Falckの論文
Urban forestry in Sweden from a silvicultural perspective, a review
より。

一般的なスウェーデン人はおよそ2週間に1度、レクリエーションのために森林を訪れているそうだ。年間のべ約2億人がスウェーデンの森林を訪れていることになる。また、8~9割のスウェーデン人が少なくとも年に1度は森林を訪れていることになる。

スウェーデンの人口はおおよそ1000万人。日本はその12倍だが、森林を訪れる頻度はスウェーデンと比べかなり少なそうだ。日本人のうち、年に1度でも森林を訪れている人はどのくらいの割合になるだろう。

この「森林についての経験」の多寡は、今後の森林のあり方を考えていく上で特に重要。森林を定期的に訪れる人の方が、そうでない人に比べて、生物多様性の維持であるとか、リラックス効果であるとか、水土保全であるとかの森林の多面的機能についての正しい理解をしてもらいやすいことは確かだろう。少なくとも、正しい知識を得たい、とするモチベーションは高いに違いない。

こういう潜在的なサポーターを増やしていくことが、持続可能な森林経営の実践にとってとても大切。あと、今後、森林についての市民の嗜好を考えていく上では、日本社会で生まれ育った人のグループだけでなく、インバウンドや移民の層も含めて考える必要があると思う。

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