「森林事業」とはなんだろう?
製材大手のサイプレス・スナダヤ。少し前に大林組が親会社となって話題になりました。
業界紙でも注目されていて、特に、記事に書かれているだけの道産材を本当に集荷できるのかが焦点になっているようです。既存の調達ルートに良い悪いは別として大きなインパクトを与えるのは間違いないところ。本当に計画通り操業が始まれば、の話ですが。
それとは別に気になったのは、中部電力が20%出資する計画になっている点。北海道と中部電力というつながりには直感的に違和感を感じるが、同社の中期経営計画(ビジョン2.0)を見てみると、「まちおこし」がキーワードとして挙げられ、日ハムの本拠地「エスコンフィールド」のネーミングライツを同社子会社である日本エスコンが取得していることもあり、実は既に縁ができている。下記リンク先の32ページを参照。
◎ビジョン2.0実現に向けた各事業領域の取り組み(中部電力)
もちろん上記の製材工場は「まちおこし」ではなくて、「森林事業」の一環なのだが、ここで「森林事業」が何を意味しているのかが良く分からない。上記のリンク先31ページに資源循環の取り組みの一環として森林経営が挙げられているが、フリー素材のイラストがおかれているだけで、その内容がまったくわからない。製材工場に対して出資するということなので、森林事業には森林経営だけでなく、木材製品の製造も含まれているということなのだろうが、電力会社が取り組むにはだいぶ畑違いのような気がする。僕が投資家であれば、このような出資を行う企業に対する投資はちょっと考えてしまうかなあ。ぜひ、「森林事業」が森林のサプライチェーンのどこの段階を対象にしているのかを明確にしてもらい、期待するリターンの公表をしてほしい。
異業種から森林事業に参入する手っ取り早い方法として、森林ファンドへの参加が考えられる。昨年、住友林業グループが中心となって森林ファンドを組成したことが話題になったが、これよりも踏み込んだ形で森林事業に取り組もうと考えた背景もぜひ知りたいところ。
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