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もうひとつの商談

  新型コロナウイルス感染拡大に伴い、渡航や外出、対人接触などが制限される中、オンラインによるコミュニケーションが急増しています。
  オンライン・コミュニケーションシステム「Zoom」の全世界の登録数は、は1月時点の9万人から3月11日時点で34万人以上へと急増したそうです。


  そんな中、4月から授業のオンライン化を行なう立教大学の中原淳氏が、自身のブログで「授業のオンライン化」とは既存授業をオンラインで実施するものではない、との考えを述べておられたのが、まさに今、我々が直面している問題を端的に表していると感じました。
  中原先生は、「授業のオンライン化」とは、オンライン用に「もうひとつ別の授業」をつくることなのだと説いています。


  面接や商談で使う場合にも、ただ単に往復の時間が削減できる、とかデスクに座って手軽にできるという表面的な部分だけを見るのではなく、オンラインだからできないことを何で補い、オンラインだからできること(システムの機能)によってどうコミュニケーションの質を上げるかをよく考え、「もう一つ別の商談(面接)」を作る必要があるということになります。

  日経ビジネスオンラインで配信された「新型コロナで急増 オンライン人材採用で成功するための5つの鉄則」には、採用面接で具体的に行なわれている工夫について詳しく書かれています。

  既に2018年から採用活動をオンライン化しているUSEN-NEXT HOLDINGS住谷氏は、オンライン面接のコツとして下の5点を挙げています。


1.開始5分は緊張緩和を優先
2.質問は簡潔に、会話はゆっくりと
3.意図的にジェスチャーを多くする
4.あえてオフィス内で面接する
5.画面は「にぎやか」に

  そして、慣れないことや伝わりにくさへの配慮はもちろん、やりとりを工夫することで通常の面接よりも相互に得られる情報を多くすることも可能だとしています。


  これを受けて筆者は、地方や海外の大学に通う優秀な学生を採用することが可能になるというメリットにふれつつ、逆に「面接は対面でないと」という旧い常識に囚われて変化に適応できない企業は人材獲得競争で後じんを拝することになるとまで断言しています。

  加えるならば、この変化は“徐々に”は起こらないということも重要なことなのではないでしょうか。

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