SymphonicSuite[AoT]Part2-5th:Apple Seed 歌詞和訳(解説・意訳付き)

Our mighty fallen
我々の巨体は地に堕ちた
Begotten power
手に入れた力も*1

*1:この歌詞は超大型巨人の力に触れており、上記二つの文でベルトルトの力が失われる事を示していると思われる。

Shoulder to shoulder
だが心は共にある
Never surrender
屈したりなどするものか*2

*2:この二行はライナーとベルトルトの覚悟を示していると思われる。実際にシガンシナの戦いの前、「じゃあな 頼んだぞ相棒」「任せろ」という会話がライナーとベルトルトの間で交わされている。

Apples drop beside the tree
リンゴはただ木の縁に転がるのみ*3

*3:ここではは戦士たちがマーレという大樹に成る果実に過ぎないことを示しているのかもしれない。果実がいくら落ちたところで、木自体には特に影響はなく、その地にその木は立ち続け、実は後からいくらでも成る。


Old man, please remember me and
先無き者よ、私を覚えていてくれないか*4

*4:ライナー、アニ、ベルトルトは壁内潜入に際し、後に自殺する老夫に会い、彼が語った人生を彼らの過去として偽装し利用した。ベルトルトがその老夫の記憶を鮮明に覚えているように、彼も誰かの記憶に残りたいと願っているのかもしれない。


All of us still chase our dream
そして俺たちはそれでもの夢を追い続ける*5

*5:ここはシガンシナの戦場に集まった全ての人間を指しているものと思われる。

Underneath the canopy
この天蓋の下で

Steady we ride
俺たちは着実に馬を走らせる
Silhouette flying over the grass
その輪郭が草原を飛び去ってゆく*6

*6:ここは明らかに調査兵団が決戦の地に向けて走り去っていく光景を記している。

As the daylight now dies
夜明けが終わると共に
Our stallions breathing their last
俺たちの騎馬もまた息絶えるのだ*7

*7:この二行は、夜明けが終わると共に、戦場に集まった者たちの人生も終わることを示しているのかもしれない。実際にシガンシナの戦いの生き残りは少数だった。

Duty chain us
使命が俺たちを縛りつけ
Our demons haunt us
悪魔が俺たちを駆り立てる*8

*8:ライナーとベルトルトは課された使命の為に戦っている。しかしその使命は彼らに非人道的な大量殺戮を強制する。よって彼らは悪魔に取り憑かれているに違いないと思いながらも、かつての仲間と戦わなければならないのである。


Fighting for seeds of our crown
支配の根源の為に戦い続ける*9

*9:ここのcrown(王冠)はマーレそのものを指していると思われる。彼らは「始祖の巨人」という支配の根源を手に入れる為だけにマーレ政府から送り込まれた戦士なのだ。


Death by sundown!
夕刻には死だけが全てを決するのだから!*10

*10:日が没し戦いが終わる時、死だけが全てを分かつのである。ベルトルトは自分の死か、調査兵団の死、どちらかの運命しか待ち受けていないことを知っているのである。

Steady we ride
着々と近づいてゆく
Watching scenes playing out from our past
過去の光景ばかりを追い続ける*11

*11:ベルトルトたちマーレの戦士は辛い記憶ばかりを背負っている。人々を傷つけてきたとの自覚がありながら、彼らは殺し続けることしか出来ず、過去の悪行を思い返しているのである。

Like the smell of her hair
彼女の髪の芳かぐわしさ
Those times always fly so fast
そんな日々は瞬またたく間に過ぎ去ってゆく*12

*12:ここでベルトルトは同胞であり想い人でもあるアニ・レオンハートの香りを思い出している。しかしそんな彼にとって、幸せな記憶というのは、残酷な世界の濁流に直ぐに飲み込まれてしまうモノなのである。

Needles broken
羅針は砕け
The feeling's woken
感覚が研ぎ澄まされる*13

*13:最初の行のneedles(針)はベルトルトの自信の欠如と内気な性格の隠喩かもしれない。しかし戦いが近づくにつれ、ベルトルトは勇気を振り絞り、弱い自分に打ち勝つことで覚醒した気分になっているのだ。実際に彼はシガンシナ区内で巨人化する前、「すごく変な気分だ…恐怖もあまり感じていないし周りがよく見える…」と心の中で語っている。

Should we just let it all fade?
ここで全てを消し去ってしまうべきだろうか?
Is it just time?
もう潮時だろうか?*14

*14:巨人化直前ベルトルトは、世界が残酷な以上、全てが無意味でどんな結末が待っていようと受容すべきなのだという結論に至っている。彼は様々な人の死を前に、もしかしたら自分もこれから出るであろう大量の死者の内の一人になるのではないかと感じている。最後の二つの文は明らかにベルトルト自身の死を予示している。

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