見出し画像

かのこ動物日誌 ヤマバト(キジバト)

ヤマバトに嫌われていた時代

キジバトと呼ぶよりヤマバトの方が馴染み深いのでここでは「ヤマバト」で。まさに山で暮らしていたハト。今では一年中街中や公園などで見かけるけど、昭和40年代頃までは夏は山で暮らして、秋になると里に降りて来てきた野鳥。昭和27年生まれの自分がはっきり覚えているのは5、6歳以降のこと。一つの地域に5軒ほどしかなかった。今では同じ地域に5,000軒以上の家、家、マンション。緑の中の暮らしから一転してしまった。振り返れば朝靄のかすみのかかった畑や田んぼにヤマバト一家がいつも来ていた。たいして近づいてもないのに、人影に気づくとまるでバネが弾けたように一斉にヤバイ!って感じで乾いた羽音を立てて飛び去っていく。そこまでアカラサマに嫌わなくてもと思ってしまう。毎朝のこんなことを繰り返していたがお互いの行動を一切変えようともしなかった。


キジバト(水彩画)

ハトしきゃ出来ないからハトなんだ

ハト以外は出来ない。出来たらハトじゃん。何それ?かつて「サケイ」もハトの仲間に入っていた。でも良く見たら出来ないじゃん。と言うことでハト目から除外。その動作ってなに?「水飲み動作」。多くの鳥は嘴をお水に突っ込んで、上を向いてごっくん。ところがハトは上を向かないで水に嘴を突っ込んだままゴクゴク飲んじゃう。

巣作りはとにかく速い

ヤマバトの巣作りはとにかく作業が速い。夫婦が共同であっという間に完成。ただし完成度はお世辞でもほめられたものではない。まるで波打ち際に打ち上げられた流木のようだ。下から見ると隙間だらけのスカスカ。よくもまあ卵が落ちないものかと心配してしまうほど。でも夫婦は自分たちの共同作業に最高にに満足しているようだ。

ベジタリアンをつらぬくヤマバト

ヤマバトの子育てはツバメが南に帰る頃から始まるのは今も変わらない。スズメや多くの野鳥達の子育てはツバメがやって来る春ごろからだから結構真逆の暮らしぽい。なぜ?子育て用の食事メニューの違いが関係している。普段はベジタリアンの野鳥達の多くが子育ての時はガッチリ肉食系になる。日本は冬という気候が関係している関係から「初夏爆発的に昆虫類が発生する」これを目当てにあっちこから野鳥が子育てを目的にやって来る。でもヤマバトは流されない。草の種、木の実の食事を曲げず、子育ても草の実、木の実だ。だからヤマバトの子育ては実りの秋に合わせているから、かのこ環境大学の草刈りは沢山の草の種が付くような管理を徹底している。

ミルクを作っちゃうヤマバト

子育てをミルクで?どういうこと?ヤマバトにかぎらずハトの仲間はみんなミルクで子育しちゃう。草の実、木の実を食べて身体の中でミルクに変えてヒナを育てる。豆乳のようなものだ。でもよくよく考えるとミルクで子育てするするってハトだけじゃないよね。人間だって肉やコロッケ、おせんべいや魚、貝なんか食べてお母さんはミルク作っちゃうし。ただ違うのはハトは父親もミルク作っちゃうからね。

日光浴と水風呂が大好きなヤマバト

ヤマバトは水浴び、日光浴大好き。水浴びした後に水面が白くなっているのは粉綿羽(ふめんう)。汚れをこの粉と一緒に落とす優れものだ。砂浴びは滅多にしないが、横になって片方の羽根を立ち上げての日光浴はどこかのおじさんスタイルのヤマバトが今日も三浦、金田の谷戸でのんびりしている。

絵 kaorijinbo

https://www.instagram.com/kaorijinbo_art/


https://www.instagram.com/kanoko.k.d/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?