マネージャーとして、メンバーの個々の「Will」、つまり彼らの将来に対する志向を理解することは非常に重要です。しかし、多くの場合、メンバー自身がその志向を明確に認識していないことがあります。特にエンジニアの中には、目の前の技術的な興味に没頭しているだけで満足してしまう人もいます。

メンバーが将来何を成し遂げたいのか、どのような人物になりたいのかを明確にすることは、彼らの成長速度に直結します。このWillがはっきりしていないと、彼らの成長のスピードは遅くなってしまします。

この記事では、成長のために「ロールモデルを設定すること」、そしてそれは単一であるべき、という主張をします。

ロールモデル

成長を加速するためには、メンバー自身がなりたい姿を明確にしその目標と現在の自分とのギャップを認識することが重要です。その過程で、ロールモデルを設定することが非常に有効なのは明白でしょう。ロールモデルを持つことで、ロールモデルと自分自身と比較(エンジニア的にはdiff)し、目標設定が容易になり、結果として成長速度が上がることが期待できます。

ロールモデルは一人で十分

しかし自分の理想となるロールモデルとなる人物が身近にいるとは限りません。よくあるWeb上の記事などでは、適切なロールモデルが身近にいないときは「属性ごとにロールモデルを複数持つ」ことを推奨しているものもありますが、私はそれには懐疑的です。

実際、効果的なロールモデルとは、様々なスキルや思考が融合した一人の人格です。完璧な人物をロールモデルにする必要はありません。大切なのは、どの部分を受け入れ、どの部分を高く評価するかを考慮し、全体として特定の人物をロールモデルとして選ぶことです。そのためには、一人のロールモデルを選び、その人物から学ぶことが最も効果が高いと考えています。

おわりに

ロールモデルを設定することでメンバーの成長を促し、彼らのキャリアパスを明確にする助けとなります。そのロールモデルは完璧でなくとも一人に絞れば良く、この単一のロールモデルを通して、メンバーは自分自身の目標を明確にし、そのギャップを埋めるための道筋を立てることができるのです。

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