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秋桜の溜息にだけ綻んで

いつの間にか悪質な嫌がらせが世の中なんだと結論づけているうちに記憶が破壊されてしまい、おそらく後遺症が残るだろうという経験を続けている。

なんというか恐ろしさにかまけている暇はなく、当然ながら結果ばかりを肯定しているので残虐に溺れる自分のことを汚らしいと思う悲劇のヒロインみたいな連中とただ毎日話しているのでどこかの国の王子様だと思われている気がする。

かといって私は私の存在とは切り離されいるし、いくら書き連ねたとしても変幻自在な自分のことを肯定的に評価する手段だけは見つからないので、ライブ活動でも始めたあたりで空が青かったと歌でも歌う程度の手段しか許されていないだろうとはなんだか酷く感傷的になっている。

かと言ってこんなにネガティブな発言をしていてもしようがないので、出来るだけポジティブな発言を繰り返すことで精神的な腫瘍を緩和させる手段を講じてみたいのだが、ある日突然夕暮れ時に私が私である可能性を疑われてしまうことだけが不安材料である。

一つだけ私に期待しているのは私が延命措置を施された生ける屍であるという理由だけだ。

どうにもならないとは思いつつも、味気なく続けられているのは明日のことばかりだし、明日も明後日も思考を健全に運営する方法があればいいなとは考えている。

そうは言ってもコールタールがもたらす変形した意識のことだけを考えれば、話しているより書くことのほうがお互いに健全な状態を保てますよと脳内で話しかけている未知の現象について悩み続けている。

どんなに願っても叶わない出来事は果たしてあるだろうか。

どんなに伝えても伝わらない言葉はあるのだろうか。

それはともかくとして、明日の話だけを考えていると鬱々とした気持ちを抱えているわけにもいかず、明るい毎日のことをついつい数え上げてしまう。

来月はまた新しい洋服を買いたいのだが、パーカーにしろ、セーターにしろそれなりに値段はする。

クールな印象で毎日を過ごしていると気持ちも好転するし、新しい洋服にはやはり何より私自身の一部が内蔵されている気がする。

繊細な気分であればあるほどに、脳内で起きている出来事には厳しくストイックでありたいけれど、底意地の悪さにかまけていても事実は一向に変更されない。

明日のことを考えていると、どうにもならない出来事ばかりが続いているが、失った時間は戻らず、いつの間にか口実だけを味方にして騒いでいる。

今日のことがわからないので煙草を吸うか吸わないかで悩んでいる。

ずっとじっと俯瞰的な印象について連続的な時間の中に埋没している。

連想しているのは何が原因なのかを確かめている。

言葉は分裂しているし、救いはないのかもしれない。

けれど、美的感覚だけは私に近づいている。

どうしても躙り寄る希望を抱えているうちに逃げ出す手段がなくなっているので現在を肯定する。

嘘はやっぱり私を破壊しているだけに過ぎないと気づいてしまう。

どうしようと考えた頃には何もかもが霧散しているのだ。

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