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DXの、向こう側へ(2)未来予想図

注)このnoteは、株式会社ネクイノ代表取締役の石井健一が株式会社ネクイノメンバー向けに書いているnoteです。そのため、使用している用語に通常で使われているものと意味合いが異なる場合があります。

0.振り返り

前回のnoteでは、医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていくにあたり日本の医療水準の現在地、意外と日本の制度はよくできているのでまずは現在地について誇ろう、という部分から始めました。今回は、これを受けて僕たちが目指す「未来」の形について綴っていきたいと思います。

1.ネクイノ Future Vision Movie

ネクイノ5周年イベントで社内に初めてお披露目したFuture Vision Movieです。私たちのMissionである「世界中の医療空間と体験のRe▷design」を表現したものです。現在の主力事業であるオンライン診察プラットフォーム「スマルナ」を立ち上げた2018年を起点に、2028年までの10年間の医療体験の進化について想いを綴りました。ハイライトのシーンを中心にこのVision Movieを紹介したいと思います。

2.物語の主人公

この作品では、時計の針を今から少し戻して2018年からスタートします。そして、2名の主人公が登場します。ひとりは、23歳の茜さん。企画系の会社に勤務する、社会人1年目の新人さんです。

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もうひとりは、医師の井上先生。診療所に勤務をする医師です。専門医を取得して少し経ったくらいのキャリアでしょうか。

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3.2018年時点での医療と生活の関係性

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33秒のシーンです。先輩とのやりとりの中、茜さんは体調が悪くなりその場にしゃがみ込んでしまいます。茜さんの体調を心配した先輩はすぐに医療機関を受診するように伝え、また負荷がかかりすぎているのを軽減させるためプロジェクトチームから茜を外す指示を出します。

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先輩の指示に従い、いつも行っている医療機関を受診した茜さん。コロナ禍前の設定でもあり、医療機関は診察を待つ患者さんでごった返しています。

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当日の予約が取れたのかどうか・・・はわかりませんが、これだけ患者さんがいると待ち時間は到底長くなります・・・この日はパートナーの亮二さんと、レストランでデートの予定。も開始時間に間に合わなそうで泣く泣くキャンセルをお願いするシーンです。

世界最高水準の日本の医療も、アクセスするためには日常生活から分断されていて、患者は何かのトレードオフを行わなければならない関係性を表しています。

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どのくらい待ったのかはわかりませんが、茜さんの番です。

井上「今日はどうされましたか?」
茜 「いつもの貧血が出ちゃって」
井上「あー・・検査にも出てますね、、お出ししたお薬飲まれてますか?」
茜 (気まずそうに)「(薬が)切れちゃってたんですけど、最近忙しくてもらいに来れなくて・・・・」

僕もとある疾患で医療機関を受診していたときにも似たようなシーンがあります。心の中は(来れなくてごめんなさい!はい、わかってます飲まなきゃ治らないの・・・本当にごめんなさい)って罪悪感でいっぱいになります。

でも、冷静に考えたら自分の体のこと、怒られる筋合いはないんですよね・・・
誤解のないように!多くの医師は、困りごとを解決するための最適なアプローチの一環として処方を行なっていて、患者はある意味治療チームの一員です。薬を飲む(治療に参加する)というのも重要な役割なんです。

本筋に戻ります。

井上「何か気になる症状はありますか?
茜 「いえ、ただそれで頑張ってたプロジェクト、外れることになって・・・(まだ何か伝えたい)」
井上(遮るように)「また、同じお薬を出しておきます。それで様子を見てみてください」
看護師「お疲れ様でした、受付でお待ちください」(終了)

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どうしていいのかわからなくなって、診察室の中で茜さんは泣いてしまいます。

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井上先生にとっても、どうしていいのかわからずただ見送るだけ。

「数を捌く」「一人でも多くの患者へアプローチする」ことを最優先とされる日常診療中で、お互いが分かり合えるようなコミュニケーションを取る時間も資源もない医療現場を描写しました。

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同じ日、業務が残って残業をしている井上医師のシーンです。

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昼間に、診察中に急に泣き出してしまった茜さんのことを思い出します。
ため息をつく井上医師。そんな時、以前から興味を持っていたあるプレスリリースの存在を思い出し、再度アクセスをします。

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井上
(そうだ、これなら茜さんと医療を繋ぐことができるんじゃないか・・・)

※時代描写を忠実に再現するために当時のリリースに準じ「ネクストイノベーション株式会社(変更前の社名)」の名前で制作しています。

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そして、物語が始まっていきます。

4.まとめ

全部で8分51秒の動画のうち、3分強を2018年に割り当てました。これは、改めて私たちが考える医療と日常生活の距離感をしっかり定義したかったからです。作品の中でも描写があるように、日本の医療は残念ながら日常生活とは断絶されており、自分の体と向き合うためには時間やそれ以外の何かをトレードオフしないといけない、という課題が残されていました。日常生活の中に医療が「どう」溶け込んでいくのか。この作品ではこの後時間軸と共に進化の過程を共有していきます。今日のところはまずこの2018年の描写について改めて解説を加えてみました。何度でも書きますが、だからといって「医療機関が悪い」とか「医療従事者が悪い」というスタンスは1ミリも思っていません。「違う何か」を優先してインフラを整えてくださった方々がいるから、私たちは世界最高水準の医療を今受けることができます。この水準を維持したまま、あるべきコミュニケーションの姿を再定義していくのが、私たちの存在意義・使命だと思っています。

2021年11月20日
株式会社ネクイノ
代表取締役 いしけん

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