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「地獄の卒業方法」を事例から学ぶ。ウーパールーパー象使いを説得してはいけない。


ねえママ 僕らの夢の国 寝ても覚めても消えないのはなんで?
そのせいでいつでもくたびれて 流れた涙が川を作る

(ズーカラデル『漂流劇団』)


ネットの底、深い泥の中で、「何者かになりたい」ともがき続けている人々。炎上することさえもできず、冷たい深海でのたうち回っている人々。

そういう人々を「インターネットにいるほんとうの地獄」と定義して、このマガジンで何度も紹介してきた。彼らは皆それぞれにそれぞれのヤバさを抱えていた。みんなちがって、みんなヤバい。「すずと、小鳥と、それからわたし」はそれぞれの良さがあると思うが、「キンコン西野さん信者と、作文レベルの文章で食っていこうとするブロガーと、それからレンタルなんもしない人のパクリ」は、それぞれのヤバさがある。


では、ヤバさを抱えてしまった人たちは一生ヤバいのだろうか。

金子みすゞの詩『わたしと小鳥とすずと』は、絶対に越えられない個性の壁を持つ者たちを対照的に描いている。

わたしが両手をひろげても、
お空はちっともとべないが、
とべる小鳥はわたしのように、
地面(じべた)をはやくは走れない。

金子みすゞ『わたしと小鳥とすずと』

「わたし」と「小鳥」の関係は、何年経っても入れ替わることはないだろう。何年経っても「わたし」が飛べるようにはならないし、「小鳥」がはやく走れるようにもならない。


しかし、「みんなちがってみんなヤバい」地獄に関しては、必ずしもそうではないようだ。彼らは時間が経過すれば、飛べるようになることもある。冷たい深海をのたうち回る深海魚が、青空を飛ぶカモメに変わることもあるのだ。

そう、今日書きたいのは「地獄の卒業」についてである。地獄パーソンだった人たちは、変わることもある。そんな話をしたい。

いつもいつも地面(じべた)を這い回る人をバカにしてばかりじゃ救いがなさすぎる。だから今日は、空を飛び始めた「地獄の卒業者」にフォーカスしよう。

今日は地獄の卒業者の実例を見ることによって、地獄の卒業方法を炙り出す。

それだけではない。彼らを地獄から卒業させるために働きかける方法についても述べる。地獄の人たちがどのような傾向を持っていて、どう働きかければ卒業させられるのか、その片鱗を見つけたので共有したいと思う。

僕は正直、地獄の人を止める方法はないと思っていた。どんなに正しいことを言っても彼らはアホだからすぐに仕事を辞めてインターネットで無を発信する人になってしまう。だけど、今回扱う卒業者を見て、もっと彼らに効く説得の方法があったのかもしれないと思い直した。これは嬉しい発見だった。

将来、僕の息子がしょうもない情報商材屋に騙されて「これからは個人の時代!ワクワクすることをしていれば自然とお金はやってくる!」みたいなことを言いながら「夢叶え塾」みたいなオンラインサロンを始めて、一人の会員すらも集められずにひたすらSNSで「あなたの夢を応援する言葉!」みたいなことを発信し続けている時には、今回の方法を使ってみようと思う。

その方法を端的に言うと「ウーパールーパー象使いを説得しない」ということになるのだが、これについては実例を見ながらゆっくり説明していこう。


ということで、今までに扱った地獄の人が実名付きで出るので、以下有料になる。気になる方は課金して読んでいただきたい。

単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。いつ入っても今月書かれた記事は全部読める。2月は4本更新なので、単品購入の2.4倍お得。

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