インターネットにいる「ほんとうの地獄」を紹介していく(2)
「ブログ読みました!めっちゃ面白い人ですね!よければ今度お会いできませんか?」
しょっちゅう来るDMに対して、「無償では人に会いません」と事務的に返すようになったのは、いつからだっただろうか。
たしか、大学卒業直後の僕は「一切断らない。誰にでも会う」というスタンスを取っていたはずだ。いつ、このスタンスは変化したのだろうか。
明確な変化の瞬間は、多分ない。これは徐々に醸成されてきた考えだ。何百人という人と会う内に、「フィルターなしで人に会うのはムダだ」という考えができあがっていった。本当に、色々な人が僕に会いに来た。
・向こうから「会いたい」と言ってきたのに、第一声が「どんなことされてるんですか?」のヤツ。ねえ君は僕の何を見て会いたがったの???一目惚れ???
・「何か面白いこと一緒にしましょうよwww」って言ってくるけど、自分は何も面白くない無の大学生。今までやった一番面白いことは大抵”ヒッチハイク”か”フリーハグ”。
・「弟子にしてください!」と熱いオファーをくれたのに、3週間で突然ブッチするヤツ。
こんなクソみたいな出会いがたくさんあった。しょうもないヤツに限ってよく「出会いに感謝」とか言ってるが、お前と出会った人は多分感謝してない。少なくとも僕は「時間をムダにした。出会いに後悔」と思っている。
そういうワケで、僕はいくつもの「出会いに後悔」を越えてきたのだけれど、そんな中でも屈指の「出会いに後悔」が1つある。
それは、当時19歳だった青年との出会いだ。彼と会っている1時間、まるで面白くないし、大層不愉快だった。大いに時間がムダになった。
彼は典型的な「オンラインサロンでイキリ倒す面白くない若者」であった。僕は熱心なオンラインサロン嫌いなのだが、彼との出会いが、僕のオンラインサロン嫌いを決定的なものにしたと言っていい。
ある意味、彼はすごい。僕の「無償で人に会わない」というスタンスと、「オンラインサロンはつまらない」というスタンスは、両方とも彼によって完成した気がする。僕が人生で最も影響を受けた人の一人かもしれない。まあ、負の影響なんだけど。
そして、見方を変えれば、彼は「ほんとうの地獄」として最高に面白い逸材でもあった。
このシリーズの前回の記事「インターネットにいる「ほんとうの地獄」を紹介していく(1)」でも書いたのだけれど、インターネットの底辺でのたうち回る愚か者を見るのは本当に楽しい。
しかも、彼は「インフルエンサー周りチョロチョロ発信型」から「意識高い起業家志望型」へ変貌を遂げたという珍しいタイプの地獄だ。同一人物なのに、途中から違うタイプの地獄に変化している。一粒で二度美味しいお得な「ほんとうの地獄」である。
彼は現在もバリバリに地獄発信中であり、非常に面白いので、僕はいつも彼をチェックしている。そういうワケで、今日は彼について書いてみようと思う。
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