見出し画像

ギャラの学割で消耗した話-誤解ロッキー・質問ワンパンマン・課題ヨハンリーベルト

ノーギャラの仕事はすべて断る。もう何年も徹底しているルールだ。


よく分からない生計の立て方をしていると、よく分からないオファーが次々に飛び込んでくる。

ひとつひとつに対して考え込んでいると無限に時間が取られてしまうので、ルール化する方がいい。ザッカーバーグが同じ服しか着ない話はもう耳にタコができたけれど、そういうルールとルーティンにはたしかに価値がある。

僕が5年以上徹底している大原則は「ノーギャラの仕事はすべて断る」というものである。

昔はノーギャラの仕事を数知れず受けてきたけれど、良かったことはほとんどない。「このイベント出演はノーギャラですが楽しんでもらえます」と言われて出演したら、拘束時間が長く、役割は少なく、扱いはぞんざいだった。

そもそも、ノーギャラである時点で「お前のことを大した存在だとは思ってない」というメッセージが伝わってくる。扱いがぞんざいになるのは必然と言えよう。


彼らは常套句を持っている。「ギャラが出ない代わりに、めちゃくちゃ楽しんでもらえる場にします!」「ギャラが出ない代わりに、十分な宣伝効果があります!」と。それが叶えられたことは一度もない。ぞんざいな扱いをされて不愉快になったり、何の宣伝効果もなかったり。

そもそも、効果的な宣伝ができるほど良い企画や顧客を抱えている人たちは、「ノーギャラで」などという提案をしないものだ。


ギャラを受け取らないということは、「相手に負荷をかけない」ことを意味する。相手は何のプレッシャーも感じないので、まったく準備せず、テキトウにこちらを扱うことになる。

「ギャラが出る/出ない」という判断軸は、この5年間、常に僕の中にあった。よほど特別な事情がない限り、ノーギャラの仕事はやらなかった。

一方、金額の多寡にはそこまで大きなインパクトはない。0円と1000円の差は大きいが、1000円と5000円の差はそれほどでもない。相手がお金を出そうと思っているかどうかに意味がある。「2時間拘束のイベントで1500円」みたいなオファーを受けたこともある。その時は、あまりお金を持っていない個人が出してくれる心意気に意味を感じた。


最近は金額も気にしている

そんな時期が続いて数年、最近は金額の多寡も気にするようになった。なんだかめちゃくちゃ忙しくなってしまったので、割とたくさん断るようにしている。

少なくとも、1時間1万円を切るギャラでは稼働したくない。スケジュールが入るとなんだかんだ脳のリソースを取られるので、ある程度のギャラをもらわないと割に合わない感じがする。ヒマな時期だったらいくらでも安く出るのだけれど。


それなりのギャラを基準に据えるようになったとはいえ、何事にも例外がある。めちゃくちゃに面白そうな仕事なら安くても出るし、親しい友人から頼まれたならギャラにまったく執着しない。

それと、学生からの依頼もそうだ。

大学生がなけなしのお金を持ってきてくれて、「こういう講演に出てください」と言われると、僕はすごく嬉しい気持ちになる。自分のコンテンツが若い人に届いていて、心を動かすことができた。それはとても光栄なことだ。

「自分の話が若い人に届いて、次世代に影響を及ぼせるかもしれない」というのは、壮大なロマンであり希望でもある。僕自身、学生時代に周りの大人から聞いた言葉でずいぶん影響を受けた感覚がある。

思うに、「学割」という不合理極まりない制度はそんなロマンのためにあるのではないだろうか。自社の製品を使ってくれた学生が、そこから何かを感じ取ってくれて、未来をより良くしてくれる。人類が受け継いでいく、壮大な営みだ。

僕もそんな壮大な営みに少しでも混ざりたくて、学生からのオファーはなるべく引き受けるようにしている。


……のだけれど、最近ものすごく後悔して、「もう二度とやらないでおこう」と思ったできごとがあったので、今日はそれについて書く。

「誤解ロッキー・質問ワンパンマン・課題ヨハンリーベルト」が出現した話だ。これだけでは意味不明だが、有料部分を読むと意味がわかる。

以下、リアルな話がバシバシ出るので有料になる。単品購入(300円)も可能だが、定期購読(500円/月)がオススメだ。いつ入っても今月書かれた記事は全部読める。5月は5本更新なので、バラバラに買うより3倍オトク。


ここから先は

8,197字
この記事のみ ¥ 300

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?