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超腕利きのノンフィクションライターが、嬉々としてつまらない仕事をしていた。「やりたいこと」なんて無意味だ。


「やりたいことが分からない」は、ずいぶん普遍的な悩みらしい。大学生の人生相談などを受けていると、一様に同じことを言う。

かつて、僕は大学生からの人生相談を歓迎していた。ここ数年は忙しくなったので全部断っている。

※余談①:社会的に成功を収めていない無の人間ほど歳下からの人生相談を受けたがる。承認に飢えているから、相談を受けることで承認欲求を満たそうとするのだ。かつての僕もそうだった。しかし残念ながら、大学生はできれば無の人間でなくそれなりの人間に話を聞きたいと思っているので、彼らにはあまり相談が舞い込まない。世界は常にミスマッチだ。

※余談②:驚くべきことに、人生相談を受けたい気持ちが高まりすぎて「人のおこぼれでもいいから人生相談を受けたい」と考える人間がいる。僕がかつてしょうもない中学生の相談を受けたブログを書いたら、知り合いの無の人から「こういう中学生の相談を受けるの、僕は得意なので紹介してください!」と言われて面食らった。人生相談のおこぼれをもらおうとするな


話を戻そう。

「やりたいことなどない」という悩みはごくありふれているらしく、多くの大学生が口を揃えて言っている。

いや、大学生に限らない。大人もだ。30歳ぐらいの人もよく「やりたいことがないんだけど、オレの人生このままじゃいけないっていう漠然とした感覚はあるんだよね……」みたいなことを言っている。

僕はこの手の悩みを聞くたびに「どうでもいいことで悩んでいるなぁ」という気持ちになる。

そう、「やりたいこと」なんてどうでもいい。「やりたいこと」を熱心に考える意味などない。

この話を考える上で大いに役に立つのが、某一流ノンフィクションライターの事例だ。彼は「やりたいこと」をやっていないどころか、全然やりたくないことを嬉々としてやっている

今日は、そんな話をしたい。僕の大好きなノンフィクション本を書いた著者の話。

3年ほど前、ひょんなことから彼と知り合いになり、彼のぶっちゃけた話を色々聞くことができた。圧倒的な取材力で裏社会を描き出す彼は、意外なことに「取材とかめんどくさい」「今は楽だから好きでも何でもない本を作っている」と言っていた。僕はハチャメチャに面食らった。

でも、彼の事例が、「やりたいこと難民」の皆さまには何より参考になるんじゃないだろうか。


以下、実例や実名やぶっちゃけた話が出るので、有料になる。

気になる方は課金して読んでほしい。単品購入(300円)もできるが、定期購読(500円/月)がオススメだ。いつ入っても今月書かれた記事は全部読める。9月は4本更新なので、バラバラに買うより2.4倍オトク。


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