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ジメジメとサッパリ

 とある芸人Aさんが酒を飲みながら芸人Bさんと語り合っている動画をみた。話題は友達についてのことになり、Aさんは交友関係が狭く、Bさんはその逆で、大物俳優ともよく遊んでいるらしかった。
 そんなBさんに対してAさんは
「そんな豪華な友達普通できるか?」
「なんか、きな臭くない?」
「どうやって連絡先交換するん?」
「なんかあったら助け合えるほどお前らの友情深いん?」
「お前にとってどのくらい仲が深まれば友達っていうん?」
とBさんの華麗な交友関係に妬いているのか、ネチネチとBさんに質問を繰り返していた。
 それに対してBさんは
「友情の深さとか、助け合える仲なのかとか考えてるから友達ができないんですよ。暇な時遊んで笑いあえたら十分じゃないですか」
とAさんの陰湿さに半ば呆れた感じで質問に答え、
「でも、そのジメジメした感じが愛情深さにつながり、何年経っても奥様と充実した暮らしを送れているのでしょうね」
とAさんの性格を擁護した。

 確かに、陰湿さは愛情深さの裏返しなのかもしれない。強い愛を求めるからこそ、他人はそれを重く感じ、なかなかパートナーが見つからない。だが、一旦心を許せる相手が見つかれば、全力でその人を愛し続けることができる。
 逆に、サッパリとした人は一時の刺激を求める。それが故にあれこれ考えることなく快楽に浸れるが、愛の力で一生の関係が築けられるかといえば、それは疑問が残る。

 Aさんは友達とワイワイ楽しむBさんを羨み、Bさんは愛情に溢れた家庭を築くAさんを羨む。
 隣の芝生は青く見えるというのだから、二人は十分幸せなのだろう。

ジメジメとサッパリ。どちらも愛すべき性格である。


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