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ボランチの仕事とは?

 今回のテーマは、ボランチの仕事です。ボランチといっても、チーム戦術によって役割が大きく変わるので、今回はポジショナルプレーを採用するチームのボランチに求められている仕事について話しながら、ボランチの仕事として絶対に外せないことをお話しさせていただきます。

 ボランチは、海外ではセントラルミッドフィルダーと言われることが多いです。ボランチの選手は真ん中に位置しているので、とても重要なポジションと言えます。攻撃にも守備にも関わっているので、チームとして機能するかどうかは、真ん中にいるボランチの選手の能力によって変わってきます。

 特にポジショナルプレーの戦術の中心になっている「中央突破を成功させること」を考えると、真ん中の選手はとても重要と言えます。

 ボランチの仕事として大切なことは、攻撃と守備で2つずつあります。
 攻撃で大切なことは、「ディフェンスラインの選手からボールを受けて、フォワードやトップ下にボールをつなぐこと」、もう一つが「フォワードやトップ下、サイドハーフの選手のプレーを助けること」です。

 ボランチの選手で間違っていけないことがいくつかあります。例えば「マークされていたらボールを受けない」「フリーでなければボールを受けない」ということです。

 ボランチの選手は、自分が前を向いて良い状態でボールを受けるために、味方選手に頑張ってもらってはいけません。味方選手を「おとり」にして自分が自由になってはいけません。

 ボランチの選手は、真ん中にある狭いスペースの中、相手のプレスを後ろから受けながらでも、ボールを受けて味方選手がプレーしやすい状況を作らなければならないのです。

 下手な選手ほど、ディフェンスラインの選手がボールを持っているときにはボールを受けられません。ボールを受けても、すぐに外側の選手にパスをしてしまいます。
 フォワードやトップ下、サイドの選手が相手を引きつけた時にだけ、ボールを受けて自由にプレーしようとします。これはボランチの仕事ではありません。

 狭いスペースや難しい状況でも仕事ができる選手こそ、ボランチとして優れた選手です。ディフェンスラインがパスコースに困ることがないような状況を作れるかどうかは、ボランチにかかっています。

 ボランチの仕事として、攻撃の時にやらなければならないことがもう一つあります。フォワードやトップ下、サイドハーフといった「自分よりも前でプレーしている選手」を助けることです。攻撃の時には、フォワードやトップ下がボールを奪われた時に、すぐにボールを奪い返すことができる位置に動き続ける必要があります。フォワードやトップ下、サイドハーフの突破を助けるパスコースを作ったり、相手に対して「2対1」を作る立ち位置に動き続けることもボランチの仕事です。

 ボランチの仕事の中で守備の仕事の2つは、「相手の選手に自分たちのディフェンスラインの前のスペースで仕事をさせないこと」「ディフェンスラインの選手たちの穴埋め」です。

 ディフェンスラインの選手たちは、チームの守備において「最後の砦」です。ディフェンスラインの選手たちが、ずっと「ボールを奪うため」に守備し続けるのは不可能です。集中力も続きません。体力やフィジカル的なことを考えても、無理があります。

 できる限り、相手の攻撃選手に、ディフェンスラインの前でプレーし続けられることがないように、うまくスペースを消しながら相手を追い出すことがボランチの仕事です。
 「どの方向に相手を追い出すのか」を考えて守備をしないと、いつまでたってもボールが奪えないということがあります。相手が自由にプレーする状況にならないように、少し先の展開を考えて自分の立ち位置を決めていかなければならないので、頭の良さが必要です。

 もう一つ守備の仕事がボランチにはあって、それは「ディフェンスの選手たちの穴埋め」です。ディフェンスラインの選手たちは、サイドの裏のスペースをカバーしたり、ときには、ボランチの位置にまで前に出て、守備をすることがあります。ディフェンスラインの選手たちが動いたときにできる「スペース」を埋めるのが、ボランチの仕事です。守備の動きの中で、どこが危険かを考え、スペースが生まれる場所を味方と相手の動きから考え、そういった危険なスペースを埋めるのが大切なのです。

 当然、この仕事をしながら、自分たちが守るべき「真ん中のスペース」を空けないようにしないといけないのです。


 まとめると、ボランチの仕事には、攻撃と守備にそれぞれ2つずつあって、攻撃で大切なことは「ディフェンスラインの選手からボールを受けて、フォワードやトップ下にボールをつなぐこと」「フォワード やトップ下、サイドハーフといった自分よりも前にいる選手のプレーを助けること」です。

 守備では「相手の選手に、自分たちのディフェンスラインの前のスペースで仕事をさせないこと」「ディフェンスの選手たちの穴埋め」です。

 ボランチの選手は「他の選手たちを助ける」「他の選手たちの力を120%引き出す」ことが仕事です。真ん中の位置でそれができれば、チームが勝つ確率は高くなります。

 地味な仕事ができるボランチこそ、本当に素晴らしいボランチです。目立つボランチほど、本来の仕事ができていないことが多いです。注意してください。

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