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田舎は一律に消滅しない

2017年から僕が住むところでは、現役世代だけでなく高齢者世代まで人口が減り始めました。統計によると、2024年までは緩やかな減少(それでも他の地方に比べると早い)が続き、25年からは急激に人がいなくなるとされています。人口動態は、戦争や紛争、疫病の蔓延といった特殊なことがない限り変わりませんので、予想通り推移するでしょう。

すでに集落に人がいなくなり、猿山になったところがでており、田舎は今後人が住める状態を維持していくのは簡単ではありません。

ただし全ての田舎がなくなるわけではありません。限界集落を維持したまま続いていくところや若年層が増えて活性化していく場所が日本全国にでてきます。

理由は至ってシンプルです。世代交代が進むからです。

今の80歳、90歳の高齢者は10年以内に力を失います。70歳は団塊の世代と言われ多いですが、10年後には80歳を超えます。団塊の世代が地域の中心となる頃には、今のような田舎のやり方ではやっていけません。若年層と本来働き盛りのロスジェネがぽっかり抜けているためです。国が財政出動したとしても人をいきなり増やすことはできません。お金があったとしても、そこで生活する人がいないと投資しても何もうまれない。

この10年間でやり方を変えれた田舎は何らかの形で残っていきます。僕の意見としては、「生活する人を増やした」ところです。イベントや活性化に力を入れるところはダメでしょう。

生活とは自分の器にあった生き方をすることです。そのためにはしっかりと自分を見つめ考える時間と場所が必要となります。都会だとお金と時間に追われ難しい、田舎なら好きなだけお金と時間を気にせず自分と向き合えることができます。理念や理論ではなく自分が他者から学び実践してきた経験からです。

自分と向き合える場所は、宗教、組織、先輩後輩、メンター、友だち、親兄弟、ムラではなく、たまたまそこに集まった場所が適切なのかと思います。山の中に一人籠もってできるような人はなかなかいません。僕はできません。

農業は、耕作放棄地が増えて農地は借りたい放題です。「よそ者」が借りるのも難しくはなくなってます。70歳前後から上の高齢者たちが農地を守っているのは事実ですが、反面、農地を破壊してきたことも事実です。目先のお金のために農地をむちゃくちゃにしてあの世にいった人や、90歳を過ぎても目先のお金のために一人よがりなことをして農地を破壊する人がいます。自分のところだけでなく全国の田舎でそういう年寄りがいるのです。

お金のために田舎を壊し、未来を破壊してきた一部の年寄りたちと同じ轍を踏むことはしてはいけない。というか誰もやらない。

田舎のすべてがいきなり良くなることはないですが、少しずつ良くなっています。世代交代が進んでいる今こそ種をまいておけば自分の器の中でやれることはたいていやれます。すでに一部の種は発芽して実をつける前にまできています。

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