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消費者と生産者が直接連絡をとれるのは良いことばかりではない

農業もアプリを使った販売が広がってきている。出歩くことが憚れる世の中になってきているので、ECは一気に進みそうな予感がする。

農家も、突然販路がなくなって困っているから、これを機にアプリを使っているところも増えてきている。

生産者と消費者を直接つなぐアプリは「直接連絡をとれること」を売りにしているところが多い。確かに、生産者は消費者のナマの声を知ることによりニーズがわかったり、販路が広がったりする側面もあるし、消費者もスーパーに並んでいる産地しかわからない野菜を買うより安全性は高まるだろうし、多様な野菜を買うことができる。

ただ生産者はスマホを使って消費者と丁寧にコミュニケーションを図らないといけないのは負担だ。10軒、20軒と注文がくるだけならいいけど、すべて連絡を取り合ってやるのは相当無理がある。

やるなら複数のプラットフォームにとりあえず登録してみて、最終的に自分に合うのを選んだほうがいい。何個も使い分けてやる時間はない。

個人的には、現実の市場機能を、安定した市価になり、ネットで連絡でき、箱に代替するものをつくり、中間業者をなくすような仕組みに変えていくことが先決だと考えている。もし既存の市場、JAシステムが変わらないならベンチャーが変えていくほかないだろうが、小さなアリは巨大な像に立ち向かうのは簡単ではない。農業は古くからの規制と慣習が残っている世界だからなお難しい。

市場やベンチャーより重要なのは生産者が生産から販売までやっていくこと。わかりやすく言えば六次産業化になるけど、僕が想像するのは違う。

大きくしなくていいから、自分の目が届く範囲で円環、完結することだ。優秀な農家はすぐにできるだろう。僕はまだ全然できていない。自分のペースでやればいいと思っている。最初から最後まで自分でできるようになるまでは、市場、直売、アプリに頼る。

多分、コミュニケーションが密接になるベンチャーアプリは消費者の利便性だけを追求するなら潰れるだろう。マメな人は苦じゃないだろうが、自分にとってはしんどい。農家は自分より優秀な人が大勢いるので自分が潰れてしまうかもしれないな。

インターフェイス、梱包、コミュニケーション、搬送が楽ちんにならないとキツイなあ。アプリに限ったことじゃなくて既存の市場やJAも同じだけども。

模索中です。



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