見出し画像

個人面談を従業員の成長に繋げるために、覚えておきたい8つのポイント

慌ただしい日々の中で行われる上司と部下との定期的な個人面談は、うまくいかなかったことや、今起きていることに焦点が当てられることが多いです。

しかし、せっかくの従業員との交流の場で、過去の出来事を批判したり、現在の状況に反応したり、他の近況報告に終始するだけではいけません。
それより、従業員のキャリアアップや能力開発の計画、従業員の希望や夢が会社全体の目標にどのように合致するかなど、従業員の今後の関心事について話す方が、建設的な場になることもあるのです。

個人面談は、従業員育成の絶好の機会です。
この記事では、個人面談において従業員のスキルとキャリアを育成する8つのポイントを紹介します。

▼1on1への理解を深めたい方はこちら

個人面談を定期的に行う意味とは?

冒頭述べたように、個人面談は従業員育成の絶好の機会です。
個人面談は、2週間から3ヶ月といった短いスパンで定期的に行うのが特徴です。

短期間で個人面談を繰り返すことで、以下のようなメリットが得られます。

・部下が上司に対して発言しやすい環境が生まれる
・短期的な目標設定と振り返りで業務改善を図れる
・部下が抱える日々の悩みや不安を解消できる

個人面談で積極的なコミュニケーションを取ることで、日々の業務改善のみならず、部下の悩みを解消できる可能性もあるでしょう。

ただし、個人面談ミーティングは実施すれば自動的に効果が得られる訳ではありません。
個人面談で話し合う内容や対応次第では、得られるメリットよりもデメリットの方が大きくなってしまうリスクもあります。

「個人面談をすること」が目的と化してしまうことなく、部下に寄り添った中身のある面談を実施することが重要です。

個人面談を従業員の成長に繋げるための8つのポイント

ここからは、実際に個人面談を実施する際に、従業員の成長に繋げるためのポイントを8つ程解説いたします。

ポイント①|部下にリードさせる

個人面談を自分の語り中心にする管理職がいますが、このやり方は最終的にあまり効果的ではありません。
個人面談では、部下に主導権を握らせましょう。

プロジェクトの支援・新しい資格の取得・その他の能力開発など、仕事をうまく進めるために何が必要かを部下がきちんと把握していると信頼していることを示し、会議の議題や議論のポイントを設定させるのです。

部下が自分にとって重要なことを優先して会議に臨むことができるようにすることをおすすめします。

ポイント②|集中した議論を促進する

個人面談では、可能であれあb管理職と従業員が事前に会議のテンプレートやアンケートに記入し、セッション中の会話の方向性を決めることを推奨します。
その際に、質問は、「はい・いいえ」で答えられるものではなく、自由形式のものを選びましょう。

この種の質問は、従業員の日々の役割や責任・最近の業績・現在の障害や課題などを取り上げたものになるかもしれません。
ここから、従業員が自分の仕事に不満を抱くきっかけや、仕事に対して本当にワクワクすることは何かなど、より広く深い話題にも踏み込んでいくことができます。

そして、次に何をすべきなのか、行動計画を一緒に考えるのです。

ポイント③|自己認識を促す

すべての従業員が自分の将来計画を持っているわけではありません。
管理職は適切な質問をすることで、従業員がより内省的になるのを助けることができます。

例えば、リーダーシップやパフォーマンスの能力開発における現在の状況や、自分の長所と短所について質問してみましょう。

そこから、従業員は自分自身の計画を立て始めることができます。
誰かから『あなたはこの分野で成長する必要がある』と言われるのではなく、自分自身がそうしたいと思うからこそ、従業員開発に意欲を持つことができるのです。

ポイント④|その人が何を楽しんでいるかを考える

ある従業員は、チームのためにスプレッドシートを作成するのは得意かもしれませんが、その作業自体は嫌いかもしれません。
しかしその従業員には、他のチームとの共同作業を指揮したり、仕事の技術的な側面に力を入れたりするなど、得意でありかつ好きな役割があるはずです。

そして、その役割に沿った仕事をすることが、従業員の成長には最もつながります。

定期的な面談で、チームメンバーが自分のスキル・仕事に対する思い入れ、そしてキャリアを伸ばし、会社の価値や目標をサポートするためにその情熱をどのように活かせるかを考えると良いでしょう。

ポイント⑤|部下の健康状態に気を配る

日々の仕事をきちんとこなしている従業員でも、自分の健康状態には気を配っていない場合もあるでしょう。
健康を害すると、メンター制度や研修への参加を検討する能力にも影響が出ます。
だからこそ管理職は面談で、従業員の健康状態を個人レベルで把握する時間を設けなければならないのです。

チームの中で最も困難なプロジェクトを任されているか?
締め切りは厳しいか?
もしそうなら、それがストレスになっていないか?
もしこうした質問に対する答えがイエスなら、仕事量に対処して、部下が自分の成長のために時間を確保できるようにしなくてはならないかもしれません。

また定期的な面談では、従業員の健康状態について、パルスサーベイやその他のフィードバックの結果を参考にすることができます。
パルスサーベイで従業員の多くがストレスを感じていることが判明した場合、管理職は個人面談でその部署を束ねている上司に状況を尋ねるべきです。

ポイント⑥|ラポールの形成で信頼を築く

上司が弱音を吐かない限り、部下は自分のニーズや昇進の夢を打ち明けることはないでしょう。

管理職として、部下から答えのわからない質問を受けたり、自分が働いたことのない他部門のポジションに部下が興味を示したりした場合は、答えがわからないことを認め、適切な人物やリソースにつなげましょう。
管理職は自分が知らないことを率直に話し、チームメンバーのために答えを出すことが重要であり、そうすることで、信頼関係を築くことができるからです。

情報開示は、その関係に信頼があるかどうかの真の指標となります。
上司が自分のことを理解してくれている・自分の経験を理解してくれている・自分を尊重してくれている・自分の考えを尊重してくれていると感じている部下は、情報開示を続け、上司との関係をより深めようとするようになります。

ポイント⑦|自分自身のバイアスを正す

管理職も、場合によっては目隠しをしたまま個人面談に臨むこともあるでしょう。

例えば、あなたは自分の部下を20年前の自分と同じように、熱心にリーダーシップを発揮する人材に違いないと思っているとしましょう。
しかし実際には、その部下は自分の得意とする分野のエキスパートになることに情熱を傾けており、人を管理することにはまったく興味がない、ということもあり得るのです。
また、「いつか上司の後を継ぎたい」と話す部下を、毛嫌いする管理職もいるかもしれません。

定期的に行われる個人面談では、自分の偏見や予測によって偏った会話になってしまわないようにしましょう。

上司が部下のキャリア目標に影響を与えないように注意しなくてはいけません。
部下が自分の夢や目標、キャリアのビジョンを語れなくなることで、その組織での自分の将来が見えなくなることは、最も避けたいことです。

ポイント⑧|年間目標を見直す

正式な人事考課の過程で策定した従業員の能力開発目標をそのまま放置してしまうことは、よくあることです。
個人面談は、その目標をリアルタイムで確認し、これまでの進捗状況について建設的なフィードバックを提供する機会です。
従業員は、メンタープログラムに参加したり、取得したかった資格を取得したりするための手段を講じたでしょうか。
同時に、管理職は部下がそうした目標を達成するための余地を与えているでしょうか。

定期的に目標を見直すことなく1年が過ぎると、目標が達成されない可能性があります。

まとめ

個人面談で従業員の能力開発について話し合うには、時間と労力、そして意図が必要です。
しかし、従業員一人ひとりに合わせた学習・能力開発計画を立てるためにこうした個人的な会話をすることは、大きな効果をもたらすと専門家は指摘しています。
そして、それは現代社会において特に当てはまります。

現在のように離職が当たり前の時代では、従業員は記録的な速さで仕事をやめています。
さらにリモートワークによって、多くの人が職場や同僚から切り離されたように感じています。
このような状況下では、従業員一人ひとりのニーズや目標に合わせた個人面談は、大きな変化をもたらします。

ハイマネージャーの提供する、6つのお役立ち資料はこちら

・・・
ハイマネージャー
OKR1on1フィードバック人事評価などハイブリッドワークのマネジメントに必要な機能が全て揃ったピープルマネジメント・プラットフォーム「HiManager」の提供、及びマネジメント人事評価に関するコンサルティングを行っています。

HiManagerに無料お問い合わせしたい方はこちら⇩