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瞑想とアドラー心理学
何でも流行から遅れて、極力自分のペースで、ものごとを理解していこうと思っています。言っているのは「アドラー心理学」。ご多分に漏れず、ぼくも「アドラー心理学」といえば「嫌われる勇気ね」と思ってました。実際『嫌われる勇気』読みました。でも、最近、野田俊作『グループと瞑想』を買って読んでみて、とても面白いと思いました。その話です。
はじめに
ちょっと前にツイッター(とまだ言ってますが𝕏ですね)で、野田俊作『性格は変えられる』の書影と感想を見かけました。「もんぬ」さんという方のツイートです。
衝撃的な本だった。「いわゆる自己分析では、自分を知ることはできない」「考えるということの目的は、ただ一つ、自分を変えないため」「しばらくの間でいいから『実際に起こっていることは何なのか』ということだけ見て暮らすと、性格が変わる可能性はとても大きくなる」他にも多々 pic.twitter.com/jFZv0EnIHC
— もんぬ|ご自愛と気づき (@mon_nu13) May 25, 2024
ここで引用されていた
「考えるということの目的は、ただ一つ、自分を変えないため」
というフレーズがとても興味をひきました。これは本のタイトル『性格は変えられる』に呼応してるんですね。
読みたくなって早速、アマゾンに行って見ました(はい、アームチェア・ディテクティブ的というか、出不精人間です)。しかし在庫切れ。見れば、この本は4冊シリーズの1冊目のようで、他の巻は入手可能な模様。しかし、なんかタイトルが『グループと瞑想』とか、ちょっと怪しそう……と、1週間くらい躊躇してました。
しかし、いつまでたっても『性格は変えられる』の在庫状況が戻らないので、「物は試し」と2巻目の『グループと瞑想』を注文してみました(在庫の関係で、これは楽天ブックスに)。数日後には届いて、早速、パラパラと目を通してみました。そしたら、タイトルにある胡散臭さに反して、とても健全というか、前向きな内容で、ちょっと驚きました。
数年前に、『嫌われる勇気』でブームになった「アドラー心理学」というものに対する考え方が変わった、というか、正された、と言う感じかな。とは言え、多分これは「野田」心理学なんでしょうね。属人化は、判断基準という意味ではぼくは人を見るのだけど、客観性という意味では、「個人心理学」がいいのかな?野田さんは語感が好きじゃないみたいに書いてましたが、ぼくはむしろ「個人」という言葉はしっくりきます。
『グループと瞑想』の感想
ツイートから、読んだ感想をピックアップ。
ツイッターで見かけた野田俊作という人の、入手可能だった『グループと瞑想』ってのをパラっとみたけど、これ、よかったhttps://t.co/TGtzXM3jie
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
ぼく自身、エマソンとか、仏教ブーム、原始仏教から道元とか、最近の関心があるが、
関連してるし、ハッとすること(ついうっかり、かな?)もある。
幾つか(問題ない程度に)引用。
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
p.156
「瞑想の習慣」なんていうのはとんでもないことです。
私がやろうとしていることは…「脱習慣化」なんですよ。
…すべてのことを習慣化しないでほしい。…愛を習慣化したくない。瞬間瞬間に、相手を愛することを決心したい。
p.123
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
日本のファシズムの形式上の源流は、禅寺の暮らし方だと思うんです。教育の手段として暴力を肯定する思想は元をたどれば禅の発想だものね。明治時代に軍隊と学校とができたとき、価値観は国粋主義化した儒教ないしは神道だったけれど、雰囲気はグロテスクに誇張された禅寺だったと思うんです。
p.85 -- 86
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
陰性感情…三種…「怒り」「不安」「憂うつ」。「不安」と、その親戚の「心配」「恐怖心」「緊張感」…
「憂うつ」とその親戚の「後悔」「自責」「罪悪感」は、
…瞑想で「今ここ」に戻ってくると消えるんです。…「怒り」は現在の感情…今ここにある感情だから(瞑想では消えません。)
p.76 -- 77
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
感情は対人関係の中で、相手を操作する道具として、…無意識的に作りだされ使われているにすぎない。…感情は抑圧されたりしない。だから、吐き出しても何もいいことはない。
p.133
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
(瞑想すると)劣等感がなくなって自己受容ができるようになる。すると、他人や世界全体に対する態度も根本的に変わってくる。
…ついうっかりと共同体感覚に目覚めてしまう。
ついうっかりと、でなくてはいけない。「気がついたら共同体感覚のど真ん中にいた」という感じでないと本当ではない。
p.151
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
私は、人生という問題に対して、もっと便利な解法を示してみせる。新しい解法を使えば、たいていの問題は「涙なし」で解ける。
それまで難問だと思っていたものが、実はまったく簡単なことであることがわかる。そもそも問題ですらなかったことがわかる。
この野田俊作さんは、日本の第一人者みたいhttps://t.co/yxC71w4we7
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
だが、2020年に既に亡くなられている、と。
ユーチューブ・チャンネルもあった。https://t.co/5ese35ypto
アドラー心理学は、何も責任を取ってくれないので(自己責任的な意味)人気が出ない、みたいな発言、いいなと思った。
引用した「ついうっかり」とか、
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
引用はしなかったけど「『ふと気がついたら受け入れてしまっていた』ようなセッティングを作り出すのが好き」とかいうノリは、
理解するとか、「分かった」とかの本質だし、
自主性を涵養すること(の難しさ)にも通じるな、と思う。
仏教ブームについてはhttps://t.co/MHpw0Nuugw
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 2, 2024
エマソンについてはhttps://t.co/fTUP3KjwC8
道元についてはhttps://t.co/dkHjvE3uCc
それぞれ、エッセイ集の(抄)https://t.co/hsM8Mf0OUG
と、(補)第一部トークhttps://t.co/UBch0oVB87
に収録です。
(と、無事に宣伝に繋ぐ、と)
その後、またフワフワと漂っているようで
#技術書典 あと3日、送料無料は日曜まで!
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 7, 2024
新刊エッセイ第一部トークhttps://t.co/UBch0oVB87
先日故野田俊作『グループと瞑想』読んでエマソンを想起
* できるかどうかは自分しか知らないし、やってみるまで分からない
* 首尾一貫なんて糞食らえ
* きれいに咲くバラは何のお手本もみないで咲く pic.twitter.com/Xp6O5Ur5KX
この、「頭じゃなく体」みたいな部分も気になっている
(つづき)……
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 9, 2024
後者は実践的、頭より体を動かす、というか
あと野田俊作的に言うと「お稽古ごと」的なのかな、と
つまり、自分に足りないのは、単に、実践だ、と
これ、本当はオレ、二年前にポッドキャストはじめた時に実感したことではなかったか?
ツイートにも書いたように、最近(と言っても2〜3年のスケールの話だが)仏教ブームが来てるとか言って、瞑想とか道元とか読んでる。もっといえば、興味から一度だけ、近所にある名刹、大乗寺の座禅会ってのにも行ってみたりもした。(とはいえ、まだ鈴木大拙館には入ってない……閉館期間中に裏庭には一度、行ったけど。)
この辺の仏教ブームに関しては、『エッセイ 音楽と数理 ポッドキャストは自由にする(抄)』(技術書典、BOOTH、アマゾン)
![](https://assets.st-note.com/img/1718598394792-7FpnMBWL8l.png?width=800)
や、『エッセイ 音楽と数理 ポッドキャストは自由にする(補)第一部トーク』(技術書典、BOOTH、アマゾン)
![](https://assets.st-note.com/img/1718598554361-N99OqwJuFN.png?width=800)
に、あれこれ書いてます。
そういう「雰囲気」だったので、禅寺にある権威主義的なものが、日本社会にあるファシズム的傾向の土台である、という指摘には、納得したと同時に、自分の無自覚さを感じた。
あと、著者である野田俊作氏に、その明るさと言うか、明朗さに、魅力を感じた。ツイートに書いたが、最近、というのは 2020年だが、亡くなられた、と。『君に友だちはいらない』の瀧本哲史氏の時もそうだが、残念だ。
『性格は変えられる』の感想
その後、ふと見れば在庫が戻ってたので、『性格は変えられる』も注文してみました。
野田俊作といえば、
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 15, 2024
その後、パート1の『性格は変えられる』も入手して読んでいるhttps://t.co/ViX4SVvQvo https://t.co/JrQeKEAKdl
結構おもしろい(当然なんだけど)
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 15, 2024
ぼくなど、いわゆる教養のない人間代表みたいなもんで、ユバルハラリの『21のレッスン』で、政治体制とかについて「ふうん」と思ったレベルだが、
この本で野田さんは、人間関係のルールに関して、
ファシズム、アナーキズム、民主主義を論じてておもしろい
ファシズムはいわゆる家父長制度的な関係性で
— ichiki kengo (@ichiki_k) June 15, 2024
(ここでいう)アナーキズムは、阿吽の呼吸、雰囲気的な思いやりと我慢の関係性(これが、言葉と内容がしっくりこないけど)
民主主義が横のつながりで、自発的な仲間意識みたいなものかな?
個人的には瀧本哲史『君に友だちはいらない』的な感じ
自発的なコミュニティをどう作るのか
最近、個人的に共同体感覚、というか、オルタナティブ・ソサイエティ(代替社会)としてのグループ療法、縦のつながりではなく横のつながりの集団、その部分に今、とても興味があります。というのも、ぼく個人でできることはとても限られているけれど、かといって、集団、グループとして、どういう風にアプローチしていけばいいのかよく分からず、ずっと悩んでいる感じでいて。そこへのよい手掛かりじゃないかなと思いました。
「自発性を、どう言う風に、伝えれば良いのか」
という、矛盾を孕む課題への向き合い方というか。
これまでも、 fast.ai の Jeremy Howard (彼のアクションは、まさにそういう「自発的な集団」をうまくオーガナイズする方法なんだなと感じた)がベースにしていると言っていた本
Making Learning Whole (David Perkins)
状況に埋め込まれた学習:正統的周辺参加 (レイヴ、ウェンガー)
とも被ってくるんじゃないかな。それから、これもフォーラムで繰り返し言及してきた瀧本哲史
君に友だちはいらない (瀧本哲史)
このあたりは、そもそも 2020 年に「技術書典9」に参加するぞ!と言ってはじめて技術同人誌を書いたときにも感じてたことで、例えば、その時の顛末を Qiita に書いた「技術書典9ドタバタ出典記〜20日で本『音楽と数理』を書いたはなし」の表テーマ
![](https://assets.st-note.com/img/1718622681937-oOftBliOMx.png?width=800)
とか裏テーマ
![](https://assets.st-note.com/img/1718622698831-5xPUadihLm.png?width=800)
とかにも書いてます。
あと、ぼくがやってた「ZENKEI AI FORUM」でしゃべったりしてました。
![](https://assets.st-note.com/img/1718596183619-S9L4aAVynf.png?width=800)
「ZENKEI AI FORUM」といえば、そのサークル雑誌『ZAM 季報』が、今の時点で2巻出てます。
![](https://assets.st-note.com/img/1718596860319-tkLtRbcGwh.jpg?width=800)
この VOL.2 の中に書いた2つのエッセイ
![](https://assets.st-note.com/img/1718597729771-F71dXy7yJ6.png?width=800)
![](https://assets.st-note.com/img/1718597756833-fDdaue1toY.png?width=800)
にも、この辺の考えが書かれてます。
ビジネスもそうですが、コミュニティをつくりだすって、どうすれば良いんでしょうかね?
クロージング
ここまで読んでいただいて、ありがとうございました。
コメントや感想など、待ってます。
Peace ☮ and Love ❤️
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