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茨城県大洗町を愛する千葉県民、坂本大志さんに「大洗町の魅力」を聞いてみた


「Owarai Questメンバー」 坂本大志さん

 茨城県の太平洋沿いに位置する大洗町(おおあらいまち)は、茨城県屈指のレジャースポットです。
この町の地域づくりに参画する団体「Owarai Quest(大洗クエスト)」は、大洗町を「何かをはじめるきっかけ」「人とのつながり」「学びや成長」を得られる町にしようと、精力的に活動中。
その一員である坂本大志さんは、大洗町の“ファンとして”、“関係人口”として、町に足を運び続けます。そんな彼だからこそ語れる、「大洗町の魅力」を聞いてみました。なんでも大洗町の魅力は「人」にありとか……。
 
※関係人口:観光以上移住未満のスタンスで、地域と多様に関わりつづける人たちの総称


大洗町の”関係人口” 坂本大志さん

「Owarai Quest」が発行する「Owarai Quest MAP」

筆者と坂本大志さんとの出会いは2023年1月。「Owarai Quest」が主催する町おこしプログラム、「Create Owarai(クリエイト大洗)」への参加がきっかけでした。
「Create Owarai」とは、大洗町外から集まった有志たちが、大洗町の新たな魅力を発掘し、イベントや企画にしていく3か月間です。坂本さんと筆者は、この活動期間をともに駆け抜けた同志。
彼は活動修了後、プログラム運営元の「Owarai Quest」のメンバーに加入。現在も大洗町を楽しみながら、魅力を発掘し、カタチにしていく活動をしています。まさに大洗町の“関係人口”。
観光とは違った楽しみ方で大洗町に関わる坂本さんの目に、大洗町はどのように映っているのでしょうか。関係人口絶賛継続中の坂本さんだからこそ語れる、町の魅力を伺いに、大洗町を訪れました。
 

大洗町で”ワーケーション”する週末

OURoomの一室


OURoomのワークスペース

今回坂本さんにお話を伺うためにお邪魔したのは、大洗町の高台にある、サブスクリプション制の貸し別荘「OURoom(アワールーム)」。坂本さんはこのサービスを活用して、大洗町に滞在予定なのだそう。 ――坂本さんのSNSを見ていると、大洗町によくいらっしゃってますね。


大洗町でワーケーション

「そうです。普段は千葉県でシステムエンジニアをやっていますが、時間がある週末は、OURoomを拠点にしながら大洗町に滞在することが多いです。パソコンで、平日に終わらなかった本業の仕事を消化したり、Owarai Questの企画を進めたり……。いわゆる“ワーケーション”ですね。昼間は自分の作業に没頭し、夜は町のバーで、地元の人たちと交流しながら、お酒を飲んでいます」
 
 
――その生活スタイルからも、大洗町への愛が伝わってきます。大洗町にハマったきっかけは、やはり「Create Owarai」への参加だったのでしょうか?
 
そうです。町おこしの活動に興味があって、「Create Owarai」の募集が目に留まりました。メンバーとして本格的に活動していくうちに、この町の虜になりましたね。それ以前は、大洗町の観光スポットを訪れる、観光客の一人にすぎませんでした」

観光雑誌には載っていない、関係人口だからこそ語れる「大洗町の魅力」とは?

坂本さんのパソコンには大洗町にあるお店のステッカーが。持ち物からも、彼の“大洗町への愛”が伝わってくる。


  
 「Create Owarai」の活動修了後、プログラムの主催団体「Owarai Quest」へのメンバー加入を決意した坂本さん。大洗町へ関わろうとする本気度はかなりのもの。これほどまでに彼が愛する「大洗町の魅力」を知りたいところです。
 
―大洗町へ関わり続ける、坂本さんの視点から見た、町の魅力を教えてください

大洗町が舞台のアニメ「ガールズ&パンツァー」

 「大洗町の一番の魅力は『人』です。面白い人がたくさんいます。『町をもっとよくしていこう!』という志を持ち、それを実行に移している人が多い。いま、我々がいる、サブスクリプション制の別荘『OURoom』のオーナーさんだったり、私が所属している『Owarai Quiest』の代表だったり・・・。『私と同世代の人が、町を良くしようと頑張っている』。この熱意に共感が生まれ、自分の刺激になっています。そもそも町全体が、町外から来た人を、温かく迎え入れてくれる姿勢なのがありがたい。私は、県外から不安をよそに、大洗町に飛び込んだタチですが、優しく迎え入れてもらいました。もっと一般的な例で言うと、アニメファンとの繋がりもその一つです。大洗町といえば、2012年から続くアニメ『ガールズ&パンツァー』の舞台になった地。町全体でアニメ文化を受け入れて、聖地巡礼で訪れるファンと、良好な関係を作りました。それを垣間見られるのが、商店街ですね。商店街のみなさんからは、フレンドリーだけど、おもてなししすぎない、ローカルな温かさを感じます。「ガールズ&パンツァー」のファンの中には、聖地巡礼目的で商店街に来ていたのに、いつの間にか『大洗町のファン』として、リピーターになっていることも多いと聞きます。これはやはり、商店街の皆さんの人柄があってこそだと思いますよ。私も商店街を訪れると、なぜか『ただいま』と言いたくなりますね。こんな観光地、めったにありません」


OURoomのアメニティからも「人のあたたかさ」を感じる 

大洗町の魅力は「人」である。これには筆者も共感。今回お邪魔した「OURoom」のオーナー夫妻も、気持ち良い笑顔で筆者を歓迎してくださいました。オーナー夫妻が坂本さんに手渡したアメニティには、手書きで「おかえりなさい」の文字が。大洗町の「人の温かさ」を感じられる場面でした。  坂本さんおすすめ、大洗町のスポット大洗町の人々の温かさや活気が伝わってくる、今回の取材。もっと『大洗町の魅力』を感じるには、町内のどこを訪ねればいいのでしょう? ――坂本さんがおすすめの大洗町のスポットを教えてください。観光地でなくても構いませんよ(笑)

・砂浜で様々なイベントを開催。「大洗サンビーチ」


大洗サンビーチ


「サーフィンと潮干狩りのイメージが強い『大洗サンビーチ』ですが、砂浜を利用して面白いイベントをたくさん実施しています。最近だと、砂浜に書籍を並べて読書できる環境を整備した「砂浜図書館」、白いTシャツにアートを描き、風になびくように展示する「風にころがるTシャツ展」など。既存の観光資源の海水浴場を新しい発想で活用しています」
 

・コンシェルジュがいる観光案内所「うみまちテラス」

うみまちテラス

「大洗町に初めて来た人は、大洗駅前にある観光案内所『うみまちテラス』に行ってほしいです。ここのコンシェルジュの皆さんは、大洗町の楽しみ方を知り尽くしているんですよ。またレンタサイクルもあるし、東南アジアのタクシー的存在「トゥクトゥク」も町内運航しています。大洗町に東南アジアのカルチャーを持ってきたんですね。大洗町をもっと深く知りたい方は、コンシェルジュの方とぜひお話してほしい。観光ガイドに載っていないディープな情報をゲットできます」  

深夜も営業しているバー「ORACLE(オラクル)」


ORACLEの店構え
この一杯がうまい……

「海沿いの町営第1駐車場内にあるバー『ORACLE』は、大洗町では珍しい深夜も営業しているバーです。大洗は港町なので、朝が早い。だから夜遅くまで営業している飲食店が少ないんです。そんななか、ORACLEは深夜2時まで営業しています。お客さんは大洗町民の方もいれば、ガールズ&パンツァーのファンの皆さんも多く集まります。地元の皆さんと、大洗町に遊びの来た皆さんが入り混じる空間で、会話をするのが面白いです」 町をさらに魅力的に。坂本さんの大洗町での活動展望を聞いてみたインタビュー時の坂本さんの表情を見ると、大洗町の人や地域づくりに夢中になっていることがひしひしと伝わってきます。「大洗町でなにかをやりたい」とOwarai Questに加入した坂本さん。いずれは彼自身が「大洗町でなにかを始めようとしている人」を応援する側に立っていることでしょう。これから坂本さんの活動が楽しみになってきました。 

――今後、大洗町でどんな活動をしていきたいですか?

 「Owarai Questの活動を通じて『大洗町の人々の暮らし方』を発信していきたいです。この町にはどんな人が住んでいて、どんなライフスタイルなのかは、町民同士ですら、わからない。『大洗町でこんな生活をしている人がいますよ』『町内でこんなことをやりたい人がいますよ』といった情報を、関係人口の視点で発信できればと考えています。とくに、大洗町の中高生たちに『町にこんなに頑張っている大人がいるよ』と知ってもらうことは大事だと思っていますし、なんなら一緒に発信していく活動をしたいです。私が発信した“大洗町の人“に関する情報で『町にこんな人がいるんだ』と知ってもらい、町内での関係性が強固に持続していければと思っています」
 
――大洗町にはどんな人がきてほしいですか?
「大洗町に来てくれたら誰でも嬉しいですね(笑)。来るきっかけは観光だったり、アニメの聖地巡りだったり、人それぞれだと思います。それを通じて最終的には『大洗町の人』とつながり、“観光地以外の魅力”を知ってほしいです。あとは『大洗町で新しいことを始めたい若い人たち』にも来てもらいたい。Owarai Questは『大洗町を冒険の拠点にする』をミッションに掲げて活動しています。大洗町は“冒険の第一歩”を踏み出すには最適な場所だと思います。われわれOwarai Questは、そんな“冒険者”を町に送り出す役割を担いたいです。大洗町で面白いことをやっている人たちと繋がって、なにかを始めるきっかけを掴んでもらいたいと思っています」

大洗町の魅力はこれからも大きくなっていく。坂本さんが関わり続ける限り

  今回は茨城県大洗町の関係人口、坂本大志さんに、大洗町への熱い想いと魅力を語っていただきました。筆者は、地域の面白い人(プレーヤー)と関係人口が両想いになり、その地域での活動が、活発になることを“人の化学反応”と呼んでいます。坂本さんの活動は、まさにそれが起こる予感。大洗町への愛にあふれる坂本さんが、地元のプレーヤーと両想いになったとき、この町の魅力が、最大限に引き出されることは間違いありません。
大洗町の未来に期待を膨らませて、インタビューは終了。「今度は大洗町でお酒を飲みましょう」。坂本さんと、そう言葉を交わし、大洗町を後にしました。


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