お茶の成分で、これからの時代を乗り切る!
1.お茶でうがいをすると風邪をひきにくい!
コロナ禍で、ウイルス感染が心配な日々が続いており、身近なもので対策できないものでしょうか?お茶でうがいをすると風邪をひきにくいと、よく言われていますが、本当にデータがあるのか調べてみました。
2006年に静岡県立大学から茶カテキン抽出物でうがいをすると、インフルエンザにかかりにくいという論文が発表されています。
「Gargling with tea catechin extracts for the prevention of influenza infection in elderly nursing home residents: a prospective clinical study」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16970537/
実験は、65歳以上の高齢者で 76人が茶カテキン抽出物(200 µg / mLカテキン)でうがいをする「カテキングループ」と、48人が茶カテキン抽出物なしでうがいをする「コントロールグループ」に分けられ、すべての被験者にインフルエンザワクチンが接種されました。どちらのグループも、うがいは3か月間毎日3回行われ、インフルエンザ感染の発生率が「コントロールグループ」で5人(10%)、「カテキングループ」で1人(1.3%)という結果になっていました。
2.ガラガラうがいの前にはブクブクで口の中をすすぐ方がよい?
昔から、外から帰ったらうがいをしなさいと言われていました。しかし最近の厚生労働省のHPを見ると、インフルエンザも新型コロナウイルスの予防には、手洗いをするように指導されており、うがいはなくなっています。
医師や薬剤師の指導をWebサイトで検索すると、まずは口の中に入ってきた菌やウイルスを洗い流すために口の中をブクブクとすすいで吐き出し、そのあとにガラガラとうがいをすることを薦めていることが多いようです。うがいが難しいお子さんは、ブクブクとすすぐだけでも良いようです。
3.食事のあとお茶で口をすすぐのは、カテキンが残りカスを取り除く効果があった
お茶の話に戻りますと、食事の後に歯磨きができないと、習慣的にお茶で口の中をすすぐ方も多いと思います。
調べてみると、神戸学院大学の下記の研究の中で、緑茶や紅茶のカテキンが、口の中に残ったたんぱく質や油脂と結合して取り除くため、サッパリ感が得られることが示されています。
「渋味飲料の口腔内リセット作用の分子化学的検証と食事における相性診断技術の開発」
https://kaken.nii.ac.jp/ja/file/KAKENHI-PROJECT-15K12328/15K12328seika.pdf
カテキンがたんぱく質とよく結合する性質を利用して、佐賀大学は2001年に、大豆たんぱくを使ってカテキンを取り出す方法を発表しています。
「大豆 タ ンパ クによる茶 カテ キ ン類 の分 離 法」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/nskkk1995/48/9/48_9_664/_pdf
カテキンは、たんぱく質とよく結合するようです。
4.お茶の種類によるカテキンに違いはあるのか?
お茶は、もともと同じ茶の木の葉を発酵させる程度によって、発酵させない緑茶から、発酵させる紅茶、その中間のウーロン茶に分かれています。含まれているカテキンも発酵の程度によって、下図のように変化しています。
インフルエンザ感染に対する緑茶うがいの研究は、先ほど紹介しましたが、日本カテキン学会のHPでは、紅茶エキスもインフルエンザウイルスの感染力を失わせる、と紹介されています。
茶の木以外のうっちん茶、甜茶、黒豆茶なども、カテキンと同じ仲間のポリフェノールが含まれていることが知られています。
5.ウイルスはたんぱく質で覆われている。
今後も心配なインフルエンザウイルスやコロナウイルスは、ウイルスの表面にスパイクという突起が無数にあり、このスパイクは、たんぱく質でてきています。このため、カテキンがインフルエンザに対する影響の研究で、感染力が失われるなどの結果が報告されているのだと推測されます。
CAS (アメリカ化学会の下部組織Chemical Abstracts Service)のブログの中で、コロナウイルスのスパイクのタンパク質の構造について解説されています。
https://www.cas.org/ja/blog/covid-19-spike-protein
6.茶葉エキスで今の時代を乗り切れるか!?
茶葉エキスで、口の中をすすぐと、カテキンの力でウイルスを簡単に吐き出すことができそうです。カテキンは、直接ウイルスと結合したり、ウイルスとたんぱく質が結合したものを凝集し固めることができるようです。
今回調べてみて、これからの時代をスッキリと安心してすごすために、カテキンの力を活用できるのではと考えています。
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