見出し画像

私は養成所何期生?【2】

ヘルパー養成校の課程が全て終わった時点で、ヘルパー2級を取得する事が出来た。

文章で書くと余りにもあっけないが、半年間介護について一生懸命学んだつもりにはなっていた。

とにかく早く資格を取得して働きたかった。早く働きたいが故に、養成校で勉強中に「無資格でもOK」と謳われたガイドヘルパーの募集に応募してみたが、あえなく面接で落とされた。

思えばあれは今でも納得がいかない面接だった。「無資格でもOK」だから応募したにも関わらず『せっかくだから資格をとってから働きに来てください』とお断りされた。

余りにも私の知識、技術、または人間性が合格点に満たなかったのか、それとも私が磨けば光る存在だと思ってもらえたのか...おそらく前者だったのだろう。

未経験者と経験者は多分に違う。介護業界もその例に漏れない。今となってはその重要性は良くわかる。ただ、何も知らない当時の私は理不尽に思うだけだった。

そう言う事もあり現場の実習は非常に重要だ。養成校では介護実習があった。これは実際の介護現場で実習が行われる。資格取得にこの実習は必要不可欠。私は自宅近くのヘルパー事業所で1日、自宅からは少し離れた地域の特養で2日間、合計3日間の実習だった。

初めての利用者宅の訪問、ヘルパー事業所の雰囲気、施設での職員の動き、施設の1日の流れ...目に見える全てのものが珍しかった。実習はあっという間に終わった。全く苦はなかった。より早く働きたいと思った。

冒頭にもあった通りヘルパー2級課程が終了した後、希望者はそのままヘルパー1級課程に進む事が出来た。当時、ヘルパー1級と言えば相当なスキルの持ち主と思われる事必至。業界ではかなりのステータスとなっていた。

ただ、やはり私は早く働いて給料が欲しかった。正社員として働いて落ち着きたかった。1級課程を受講すれば卒業までに更に数ヶ月かかってしまう。という事で私に1級課程を受講する気持ちは無かった。卒業後はすぐに求人募集を探し、面接を受けた。

さて、これは余談だが養成校を卒業する際、色々な苦難を共に潜り抜けた生徒達はもはや仲間となり、それぞれで食事会に行ったり、連絡先を交換したり...とコミュニケーションが図られていた様に感じるが、私はまごうことなき隠キャマン。そんな公のコミュニケーションなど恥ずかしくてとてもじゃ無いが参加する資格すら無かった。もちろん卒業後は1人で自宅に直行した。

昔話は続きます。

この記事が参加している募集

#この経験に学べ

54,826件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?