私はなぜ介護業界で19年も働いているのか?【1】

短大を卒業し、フリーターを経てめでたく特別養護老人ホームに入職したのが今から約19年前。

根を上げずに1年働けるかどうかすら、自分でも全く予測出来なかったが、まさか19年も継続してこの業界に腰を据えているとは、その時夢にも思わなかった。

当時、2000年に介護保険が制定され手探りで新しい介護時代が始まった。私はその4年後の2004年からこの業界に足を踏み入れた。

今はもう存在しないが、その頃介護ヘルパー資格なるものがあり、その養成校がそこらじゅうにあった。しかも、それほど高くはない受講料で入学出来た。

それだけ養成校が乱立し、ヘルパー募集のチラシを目にしていると「今、介護は熱いのか?」と勘違いしてもおかしくない。

私がなぜ介護の仕事をやろうと思ったかについては、また別に書ければと思うが、実際にこの時期、介護職員の就職希望者は山のようにいた。介護施設は職員が辞めても、募集をかければすぐに新しい職員が集まった。

そう言う時代だった。自分で書いていて現在と環境が違いすぎて涙が出てくるが、実際に当時はそう言う時代で特に誇張して書いている訳ではない。

ヘルパー養成校には様々な境遇の人達がいた。いや、いた様な気がする...実はこの養成校、短い期間だった事もあり記憶もあまり定かではない。しかし思い返すと、入学生には確か主婦の方、元美容師の方等がいて...とにかく、私の様な21歳の若造は珍しかった。もしかすると客観的に見てその場で私は少し浮いていたかもしれない。

そういえば、元美容師の女性は24歳だった。なぜ定かではない養成校時代のこの方の年齢を覚えているのか。それは、私の記憶に強く残っているからに限る。

ただ、その理由は非常に単純で、24歳の女性が「凄く年上の女性」に感じられただけだったりする。21歳の自分からするとたった3歳しか歳の差がない女性だったが、すでに美容師としての職歴もあり人生経験が豊富な天空人に思えたのだった。特にこの方とのエピソードは何も無い。が、なぜか私の記憶に残る人ではある。

その養成校では週に2日授業が行われた。講義には社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員の3つを取得しているスーパースター講師もいて介護のイロハについて教えてくれた。

その介護講師を見て、介護の資格をたくさん取得して「介護講師の仕事に就くのも悪く無いな」と思った若造もいた。因みにそのビジョンは未だに実現していない。

昔話はまだ続きます。

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