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レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第七回 東京の空

「東京の空」

レコードを聴いていた世代のわたしはCDに変わってもA面の終わりやB面の始まりを意識してCDを聴いていました。そして、彼ら四人の作品に対しても同じでしたが、本作はそのA面とB面の境目が分かり難い作品でした。前作までは彼ら四人もそのあたりは意識していたとは思いますが、でも、そのような事柄は些細なこととして、細かいことは気にしない、こだわらない、そんな自由さを追求したのが本作でした。「この世は最高!」は当時はミスマッチと思われた奇妙な音が入っていたし、「暮れゆく夕べの空」では女性の笑い声も違和感を持ちました。曲の並べ方も、どこか、瞬発力で決めたような曲順と思いましたが、それらは、細かいことは気にしない、こだわらない、そんな自由さの表れだったのかもしれません。柔軟性のないわたしはアルバムタイトル曲のような晴れ晴れとしない気持ちで本作を聴いていましたが、先のこだわらない自由さもそうですが、歌詞や言葉もそれまでの文学的な表現ではなくなり、それらも馴染めませんでした。CDで聴くのが当たり前になったように本作の苦手意識もなくなりました。

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