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レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第九回 明日に向かって走れー月夜の歌ー

「明日に向かって走れー月夜の歌ー」

嫌味ではなくて、「悲しみの果て」の良さがわかりません。デビューから聴いているからなのかもしれませんし、単純に感受性が鈍いからなのかもしれません。本作は前作よりも抵抗がなく聴けます。「今宵の月のように」がアルバムのイメージを支配しているからなのかもしれません。「悲しみの果て」の良さが理解できないわたしでもこの曲が名曲ということは理解ができますし、着席してコンサートを聴いていたわたしにとって、ただの名曲ではなくて、セカンドアルバムやサードアルバムを聴いた時の驚きを蘇らせてくれた曲でもあります。予想もしてない、また、望んでいないことを納得も狂喜もさせてしまう彼ら四人に再び、出会えたことが嬉しかったです。一方では寂しい気分にさせられたのも事実です。着席して、コンサートを聴くこと、それは二度と戻ってこないということも確信しました。「東京の空」からの変化を望んでいませんでしたが、その変化があったから、「今宵の月のように」という名曲の誕生だったのかもしれません。しかしながら、何かを得るには犠牲も生じるということも知ったような気分にもさせられる本作でした。

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