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穴のない守備はない 2021J1⑦ セレッソ大阪vsサガン鳥栖

このチームは恐れを知らないのかってぐらい、最後まで哲学を貫いてた。相手のゴールに圧力をかけ続け、攻め抜くってやつ。



サッカーは、最後はハートで勝負するスポーツ。

ただ、これほどハラハラドキドキする必要もなかったかと。苦笑


開幕戦以来の観戦だったけど、やはり生の臨場感は格別。奥埜のミドルも打った瞬間入ったと分かるぐらい迫力あった。これはスタジアムでしか味わえない。

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そして、サッカーで思い通りにプレーすることがどれほど難しいことであるかも、試合をよく観ていると感じることができる。

サッカーはボールを手と腕で扱うことができないから、制御できない部分がどうしても出てくる。守備ではいくらゴール前に人を配置しても失点することがあるし、鉄壁と言われる守備でも失点することがある。守っているだけでは試合に勝つことはできない。


隙が生まれない守備は存在しない。


サガン鳥栖の実力

鳥栖は今節の46分に、おっくんに得点を喫するまで、リーグ戦6試合と45分、無失点。ここ数年は二桁順位が続いているが今季は良いスタートを切っている。

セレッソは鳥栖がJ1昇格した2012年以降、対鳥栖の公式戦で8勝3分9敗。リーグ戦に限ると6勝2分6敗。数字上ではほぼ互角。2009年最終節、2013年終盤、そして記憶に新しい2020年ホーム最終節など、セレッソの前に鳥栖が立ちはだかった試合は少なくない。セレサポの多くが鳥栖の実力を直に感じていると思う。

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経営問題や選手の大幅な入れ替えがあったなかで(原川はウチが引き抜いたが笑)、育成組織出身の選手を組み込み、個人の能力やフィジカルに頼り過ぎないアクションサッカーを展開。戦い方の幅も広く、終盤に追い込まれた時によく見られるカウンターサッカーは尹ジョンファン体制の遺産の面影を感じる。

昇格して今季で10年目。鳥栖はJ1に居続けるだけでなく、昨季を上回ることができるか、上位に食い込む力があるか、真価が問われているクラブになっていると思う。


似合わない荷物

開幕から無敗で戦ってきた鳥栖だが、選手の入れ替えも多かったこともあり、上位争い特有のプレッシャーに対する経験値もまだ浅かったのだろう。試合後のキムミョンヒ監督のDAZNインタビューは、まだまだチームは発展途上であるとの認識を強く感じさせるものだった。

「僕たちに似合わない、大きな荷物、重りをひとつ降ろせたということで、選手たちは目が覚めてまた次に向かってくれるんじゃないでしょうか。」
「自分たちに似合わない荷物をしっかりと降ろして、変な奢りだったりあぐらかいている余裕もなにもないチームなので、もう一回、ゼロに戻して、しっかりと戦う姿勢を見せて、次のゲームに進みたいと思います。」

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似合わない荷物、とは開幕からの連続試合無失点記録のことで、今節も無失点だったらJリーグ記録だった。しかしサッカーは失点をしないだけでは試合に勝つことはできないし、それまで無失点でもどこかで必ず失点する時が来る。

そしてこの試合は嘉人&豊川vsファンソッコ&エドゥアルドの、最終ラインのせめぎ合い、プレッシング、ポジションの取り合いを巡る戦いがよく繰り広げられていた。さらにセレッソもセンターバックにはボールをある程度持たせ、インサイドハーフには危険なスペースを使わせないと、ある意味割り切った形で守り抜いていた。

ここまで無失点できていることと決定機を作ることができないことに重圧や苛立ちを感じていたのかどうか定かではないが、ファンソッコとエドゥアルド筆頭に球際が荒くなっていたし、ファンソッコに至っては退場。いつもの鳥栖ではなかったことは確かだった。


連勝・複数得点・無失点といった好成績が続くと、注目され次も達成してくれるという期待と重圧がつきまとう。キムミョンヒ監督は今はまだそんな重圧に耐えられるチームではない、時期尚早だと、現実的にチームを見据えているようだった。いい監督。この様子だと鳥栖は次も簡単な相手ではなさそう....

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しかし54分のファンソッコの1枚目を誘った嘉人さんよ。後ろに目がついていたのか?蹴り上げた足がかすったのかどうか微妙だが、相手が嫌がるプレッシングは大歓迎。セレッソのために身体張って走りまくってくれていつもおおきに!


セレッソの守備は未だ崩れていない

おっくんのゴールは、歩夢のロングボールを鳥栖DF飯野七聖が中央にクリアミスしたことで生まれた。ただああいうミスがセレッソの守備でおきていてもおかしくはなかった。得点直後に樋口雄太にシュートコースギリギリの決定機を作らされている。

鉄壁というわけではないんだけどゴール前に人数をかけ、プレスにいく相手やタイミング等の約束事が選手間で徹底されており、奪った後に攻め込むチャンスがあれば果敢にDF裏へのパスを送り出していた。終盤はひたすらクリアに近かったけど。

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今節際立ったのは藤田直之。主任がいるとボールの落ち着きどころができるし、鳥栖時代に培ったハードワークもこの日はよく発揮していた。五輪代表帰りの歩夢はディフェンスリーダーの風格が出てきたし、潤もなんとか最後まで走って戦っていたし、隆矢はもうすっかりスタメン組としてチームに溶け込んでいた。ジンヒョンはいつも通り。


危険なエリアに侵入されまくったが、選手各々が身体を張り続けた結果勝利をつかむことができた。

中途半端に奪われた後のカウンターケアのところ、ボールを奪った後にひたすら前に蹴るしかなかった終盤、そして終盤の時間の使い方など、気になったことは多々あったけど。最後まで身体を張って守り抜いた選手たちを称える、今はそれでいいんじゃないかと。今は。


セレッソのディフェンスは十分戦えている。


まだまだこれから

これで8試合で8失点、無失点が4試合。ホームでの失点はパスミスを拾われた1点のみ。

試合数より失点数が下回っているぐらいが現実的な目安。まだまだ個人能力に頼り過ぎるところはあるが、開幕前の評価に比べれば今のところ安定した結果を残していると言えるのではないか。

後ろで守備を支えているのがジンヒョン、歩夢、隆矢。彼ら含め全員を後押しすることでセレッソのディフェンスはまだまだ良くなると信じたい。


バックアッパーとして進藤やダンクレーもいて、鳥海も復帰し、チアゴもついに来日。試合に絡めない選手も出ているが今は腐らないこと。必ず全員が必要になる時が来る。完全に失点しない守備など存在しないが、全員で守り抜くことが今のセレッソにはとにかく必要だ。

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P.S. チアゴのほかにアダムタガ―トとダンバンラムちゃんも来日!これで戦力はそろったし、5月には怪我で離脱中の選手も全員復帰できそう。出場機会を簡単には勝ち取れないレヴィー体制でさらなるポジション争いが生まれるか?

インスタ見たけどラムちゃん爽やかすぎる。

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