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浮かれるのは早い。せやけど... 2024J1⑧セレッソ大阪vs川崎フロンターレ

湘南戦に勝ってJ1リーグ戦で開幕5戦負けなしというセレッソ大阪史上初の記録を作って、さらにそれを上回る8戦負けなし記録をクラブ創設30年目にしてやっと作ることができた。長かったね。


勝ち点3を毎試合重ねられたらいいけど現実は上手くいかないしマークも厳しくなる。過去を見ても試合数×2を目安としてペースを維持していければおのずと優勝圏内には居られる。

34試合であれば68、今季からは38試合になったので76ぐらいが優勝の目標ラインになる。
ただし2020年に34試合で83、2021年に38試合で92を積み重ねた川崎はちょっと異常。感染症で無観客、変則日程もあったりして、正直参考にならない。
三笘薫、田中碧、谷口彰悟といったA代表に入れる戦力が揃っていたからと言われればそれまでだが...

そんな川崎も、今季は厳しい船出...


この「試合数×2」というラインを個人的に意識するようになったのはとあるビックベアーさんの発言がきっかけ。今はお休みされているのかどこかで冬眠しているのか...

Q:単刀直入にお聞きしたいです。全42試合で総勝点126点中、何点獲得を目標にされていますでしょうか。
A:大熊清監督
勝点2×試合数が、過去の自動昇格の条件です。それ以上を目指したいと思います。(優勝ということでは)90点を取りたいと思います。

https://www.cerezo.jp/news/2016-02-09/


J1でも同じことが言えるのではないかと。逆に試合数と勝ち点が同じであればしんどい。また、年間トータルで見るのと直近の試合で見るのとでは順位表のスタッツの見方も全然変わってくる。


開幕ダッシュが成功したとか、今は調子が良いとか、単にチームの成績を見るなら直近どれだけ勝ち点を積めているかに注目。シーズン38試合は長いので目の前のやるべきことに注力すべし。

ちなみに小菊さんは柏戦に引き分けた後、この試合数×2の話をしてチームの士気を保とうとしていた(バクステに映ってた)のでこの考え方はチームと目線を合わせるなら持っておいて損はないかも。


というわけで、8試合で5勝3分の勝ち点18、8試合×2=16を超えているので理想的な勝ち点ペースを保つことができた試合を雑に振り返る。

最近のゴール裏はとてもアツい



8試合ともなればある程度各々の役割や陣容も固まってきて、カップ戦が少ないので序列が大きく変わることも中々難しくなってきた。

真司がコンディション不良でメンバーから外れたり、鳥栖戦でバケモンになったブエノもスタメンが確約されなかったりと、競争が激しいが、
キムジンヒョン・舩木翔・毎熊晟矢・田中駿汰・レオセアラ、この辺りは90分で代えが効かない選手になってきた。
奥埜博亮も走行距離は相変わらず長いが90分フル回転で稼働しなくとも上門知樹のプレスバックでカバーする起用が増えてきた。


そして忘れちゃいけないノボリこと登里享平。古巣戦なので1番注目されていたが、この日も要所要所でセレッソの時間を作るプレー、相手の矢印を見ながら対応する場面が多く見られる。

ノボリが中央に入ってパス回しに加わることはそれが目的ではない。
ジンヒョン+CB2人+マイクとノボリとあちょのGK1人+5人で相手の出方を見ながら、空いたスペースにIHの奥埜とこの試合は柴山が入ってきてそこにボールを届けたりレオに当てて両WGのカピとルーカスを中心にカウンターを仕掛けたりして、相手のプレスを掻い潜っていく。

各々のポジション、ジンヒョンや翔のフィードはどこに届くのか、相手は何枚でどうやってプレスをかけてくるか、といったことはバックスタンドで俯瞰して色々と考えながら観るのが今季は本当に楽しい。
だからといってセレッソが和製マンチェスターシティだとは微塵も思わないが苦笑
よく分からない記事ビュー稼ぎのネタとして消費されるのはもったいない。少なくともシティグループのお仲間さんクラブよりは調子が良い今のセレッソ大阪。
ロティーナ体制のようにまだまだ論理的に試合を進めて常に優位に主導権を握るだけののびしろはあると思う。


のびしろという部分では、前半序盤は奥埜や柴山が家長とマルシーニョの裏のスペースで簡単にボールをもらえることが多く十分に攻め込んだ時間帯があったのでそこで得点できればもっと思い通りの試合になれたかも。
シュートチャンスを迎えてもシュートコースが狭かったり相手を剥がしきれないところもあったな、実は複数得点できたんじゃないかと感じるのはチームののびしろなのか見てる側のわがままなのか(笑)

惜しくも外れたけど前半33:50にマイク柴山ルーカスで右サイドのポケットまで届けてクロスをレオが合わせたシーン、ああいう場面が増えれば理想的。
徐々に川崎もボールは保持できるチームなので持ち直して、セレッソもまずは守備からと意識を強めた前半。


ノボリvs家長


後半も中々得点するまで時間はかかったが、この試合、セレッソと川崎の現状の差がそこそこ見られたゲームになったなと。

川崎の内部の話は詳しくないが、昨季と比べても選手の入れ替わりが少なくないのと、負傷と代表選出で離脱者が多い影響で攻守においてバランスが良くない。
何度聞いても名前を覚えられないファンウェルメスメルケン際や、ACLでライオンパフォーマンスしてたバフェティンビゴミスもいないし、ジェジエウをはじめDFの怪我人がとにかく多い。


そして何より勝負のメンタリティのところ、コーチングやリーダーシップのところで川崎を牽引する選手が少ない。
それが今まではノボリだったんだろう。
試合前のインタビュー動画や試合後の川崎のメンバーと称え合うノボリの姿、負けたにも関わらずノボリを残っていた川崎サポーターの数を見れば、どれだけ川崎でノボリが重要な戦力だったかは十分に分かる。
他クラブの精神的支柱を引き抜くなんて、セレッソは(というか梶野統括部長は)とんでもない仕事をしたなと。


セレッソとしては川崎のチグハグさに付き合わず、隙が生まれるのを待っていれば結果的に良かった。


後半69:25からのゴールシーン。
家長がカウンターを仕掛けるもノボリの裏のスペースに進ませないと翔がボール奪取し、家長の後ろの広いスペースにたまたま残っていたルーカスにボールが渡る。いつも右WGでゴリゴリ仕掛けてくるアタッカーが正体ドリブルで中央突破して、カピも横にいるもんだから強くプレスに行けない川崎守備陣。カピとルーカスで相手を引きつけ、大外でポジションを取り直したレオセアラにカピからクロスが入る。カピのクロスは少々粗めで、横っ飛びで合わせないといけない中々難しいヘディングだったと思うが、豪快に枠内にぶち込んでくれた!!!

レオは8試合5得点なので、20点ペース


得点前はブエノと寛人を入れる準備をしていたが結果的にメンバー交代を行うことなく先制できたので、あとは徐々にフレッシュな選手を入れて試合をクローズ。
こういう采配のところでも鬼木監督を上回った小菊さん見事。


4年ぶりにJ1の首位に立った。「まだ8節とはいえ、順位表の一番上にセレッソ大阪の名前が刻まれていることは非常に幸せを感じている(小菊さん)」
まさにその通り!

ハッピーバースデー翔

8試合とも先制点をもぎ取って、負けなしで勝ち点を重ねることができて、ようやくまず1度首位に立って、さあまだまだここからって感じ。8/38試合で、まだ浮かれるわけにはいかない。

でも正直チームに対しては心配はしてないかな。みんなとにかく謙虚だし冷静に試合を振り返っていたし。



そうやって振る舞えるのも、ノボリがセレッソ大阪に来てくれたから


初タイトルを先に取ったのはウチなのに、タイトル数でいつのまにか抜かされて黄金期を過ごしていった川崎。そんな川崎に勝てるチームになったものの、リーグのタイトルに届かなかったセレッソ大阪を変えてくれるのは、ノボリだと信じるしかないね。


ノボリの挨拶とそれを見守る川崎サポーターとセレッソサポーター。感謝を伝えながらピッチを後にするノボリに大きな拍手が送られたあの時間はちょっと忘れられそうにない。


ノボリがいるからセレッソ大阪はきっと大丈夫だ。

ちょっと来週の名古屋へも日帰りでいいから行きたくなってきた。勝って9試合で21勝ち点を達成しよう。


CAPCOMさんもとても盛り上げてくれてありがとうございます。レボリューション!!





P.S. ノボリ凱旋試合のちょっと前にはヤンマースタジアム長居のほうで大学サッカーが開かれていまして、ちょうどこの日は京産大-甲南大の試合でした。京産大の末谷選手はスタメン、皿良選手がベンチとセレッソu18出身者もいる試合をチラッと観ることができました。プロへの思い、セレッソへの思いがあるならこれからも貪欲にチャレンジして、ヨドコウの大歓声のなかでいつかプレーできる日を願っています。上林豪選手に続く帰還を果たしてくれればサポーター冥利に尽きます。頑張って!

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