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シビックテックプレイヤーがSDGsのパートナーとなるべき3つの理由

この記事は Civic Tech Advent Calendar 2019の4日目の記事になります。
シビックテックとは市民参画型でテクノロジーを活用し、社会や地域の課題を解決する活動や技術を指します。

皆さん、SDGsという言葉はご存知でしょうか。新聞などでも大きく掲載されるようになっているので、なんとなく文字面だけは見たことがあるかと思います。
このSDGsとは、国連において2030年に向けて世界が合意した「持続可能な開発目標」のことです。成果達成の指標がしっかりと定義されていて、「誰一人取り残さない - No one will be left behind」という理念を持っています。

世界共通の17のゴール、そこにつながる169のターゲット、これらを国連に加盟する193の国が2030年を期限に達成することになります。

2017年、SDGsというものを知ってから、シビックテックはSDGsとかなり密接な関係にあり、それこそなくてはならないものなんじゃないかと思い始めています。
特に、いま、SDGsはローカルに浸透させていくフェーズに入っています。各地域それぞれがどういう活動を通してSDGsの指標を達成していくのか、そこを考えなければいけない時、地域で活動するシビックテックコミュニティやプレイヤーの力はとても大事なものになると思います。

その理由を簡単にですが、三つあげたいと思います。

1. どちらも社会の課題を解決したい

SDGsは特徴的な17個のアイコンを掲げて、多くの社会課題をあげ、持続可能な開発を目指しています。貧困問題から教育、ジェンダー、福祉、気候問題、産業発展など分野は様々で、おそらくほとんどの課題を網羅しています。

シビックテックも同じです。シビックテックは市民が自ら課題と考えている事柄に対し、市民自身がテクノロジーを活用して解決していく取り組みです。その過程で行政や企業、学校などを巻き込んでいくこともあります。課題の種類も様々です。

つまり、二つはかなり類似していて、シビックテックプレイヤーはシビックテックの活動を通してSDGsにも貢献できると予想できます。逆に、SDGsに貢献していくことで、SDGsの活動を行う様々なNPOや企業、行政と連携することも可能となります。これは17番目のパートナーシップにも通じますね。


2. 市民参画が前提

シビックテックは市民参画がもっとも大事なところだと僕は考えています。行政の決めたことに市民が協力する形ではなく、市民自身が考えたことを行政に働きかけ行政にも協力してもらうという市民主体的な活動です。

SDGsも同じです。皆さんのイメージがどうかは分かりませんが、例えば日本のSDGs実施方針を決める際、日本のSDGs推進本部は実施方針案に対してパブリックコメントを実施。
なんと190以上もの意見があり、それら一つ一つに対して反映すべきものは反映しながら現在の実施方針が策定されています。

また、僕が住む石川県金沢市では今年度、金沢のSDGs行動計画が策定されようとしています。「金沢市のSDGs」ではなく「金沢のSDGs」なんです。これは市が決めるSDGsではなく、市民でSDGsを考え、行動計画を決めていこうという表れなんですよね。
僕も加わらせていただきましたが、市内でSDGs領域で活動するたくさんの市民が一から何度も何度も話し合い、行動計画案を作りました。
今、それらを市民に公開しながら最終的な行動計画を決めようとしているところです。

市民の考えを丁寧に取り込み、一部の人で決めるのではない非常に民主的で市民主体のやり方がSDGsにもある気がしていて、これはシビックテックに通じるところがあります。


3. テクノロジーが効く

SDGsが2030年に達成しようとしている目標は簡単なものではありません。少なくとも今と同じ生活スタイルや考えではできないことだから、こうやって取り組もうとしているんですね。
目標まであと10年。世界的に気候変動危機と言われるような現象も出始めている中、たった10年で目標を成し遂げるためには、テクノロジーの活用は避けられないです。

あらゆる領域にICTをはじめとしたテクノロジーを活かすことができないか?別領域で使われているテクノロジーやメソッドを転用できるのではないか?そういったことをエンジニアだけに任せるのではなく、一般の多くの人たちが考え、実現に向けて支援できる世界にならないといけません。

様々な領域のプレイヤーとエンジニアをつなぐプロデューサー的な立場の人や領域内で働く内部のエンジニアをもっと確保すべきかもしれません。
そういった中で、シビックテックプレイヤーはきっと力を発揮できるはずです。

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まだまだ書き足りないのですが、シビックテックの活動をしている方はきっとSDGsに大きく貢献できるはずです。
ぜひ、自分の地域でパートナーを探してみてください。また、SDGsの活動をしている方も積極的にテクノロジーを利用することを考えてみていただけると嬉しいです。

17番のパートナーシップ、これがやっぱり達成の鍵だと思うので。

今月12月14日に岐阜の大垣でこういったお話をさせていただく予定です。ご興味ある方、ぜひご参加ください。


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