見出し画像

【命取られます】屋久島で縄文杉を目指す全ての人へ!誰でもなんとかなると思っていたらそれは大間違いだぜ!

最近、俺は妻と友人とで3泊4日で屋久島に行ってきた。(11月の下旬)

目的は有名な縄文杉を見に行く事だ。
俺たちは前もってトレッキングツアーを申し込んでいた。

結論からいうと、ツアー中事件が起きた。
なんと、我が妻はそこで死にかけたのだ! 
( ゚д゚)

どうして、そような事が起きてしまったのか?

様々な要因があるが、一つ言える事は縄文杉を見に行く事は思っていた以上に大変だということだ。

安全で楽しい旅行にする為に参考になれば幸いです。

こんな雨でもやるのかよ!


屋久島旅行2日目の夜、俺たちは宿の中で酒を飲んでいた。
外は真っ暗で何も見えなかったが、雨と風の強烈な音だけはハッキリ聞こえた。

明日のトレッキングツアー、多分中止だべな!

誰もがそう思っていた。

出発は次の日の早朝04:25分、バスが宿の前まで迎えに来てくれる予定だ!

夜は22時を回っていたが、ツアー会社からは中止の連絡は無かった。

俺たちは中止と分かりつつも念の為寝る事にした。
次の日に晴れる確率は無い! ( ゚д゚)
天気予報や雨雲レーダーを見てそう思っていた。

早朝04:00 俺たちは一応トレッキングの準備をした。
ツアー会社から連絡もなかったし、こちらから連絡をしても繋がらなかったからだ!

早朝04:25  俺は一向に止みそうにない雨の中をカッパを着て宿前の道路に出た。

こんな雨の日に縄文杉に行くなんてアホだ! 
絶対に中止。
俺は確信していた。

しかし

バスは来たのである。


それでも沢山いた!


俺たちは渋々バスに乗った。 (´Д` )

バスには信じられない事に他のお客も乗っていた。
君たち、マジっすか? ∑(゚Д゚)

バスは他のお客が待っているとされる旅館やホテルを廻っていく・・・
40人くらい乗れる大型バスは7割くらい埋まってしまった。

信じられない・・・・・((((;゚Д゚)))))))

バスはぐねぐねカーブをひたすら走り荒川登山口まで登っていく。
登山口に到着すると見事にバス酔いになっていた。
_:(´
`」 ∠):

ざんざんぶりの中、登山口には100人以上の人がいた。
お前らマジか!!! ((((;゚Д゚)))))))


土砂降りの中、バスはひたすらグネグネと山を登っていく・・(´Д` )


工程表!


今回参加した縄文杉工程表は以下である。
(ベルトラホームページより)

         ↓

05:20

荒川登山口到着⇒トロッコ道

真ん中の板は狭くほとんど下を向いて歩く。(._.)

登山口には男女別水洗トイレを完備。準備を整えて、トロッコ道から長いトレッキングの一歩を踏み出します。※晩秋から冬の時期は、まだ暗くライトが必要です。

06:20

小杉谷橋⇒小杉谷集落跡地

昭和35年当時、この地には540人ほどの人々が住んでおり、原生林伐採の前線基地として栄えていました。

07:00

楠川分かれ⇒三代杉

楠川分かれにはバイオトイレがあります。そこから10分ほどトロッコ道を歩くと現れる巨木が三代杉。その名の通り、三代にわたって生き延び続けている珍しい杉です。

09:00

仁王杉⇒大株歩道入口

力強くそびえ立つ、仁王像のような風貌の仁王杉を越えて大株歩道へ。ここから登山が始まります。縄文杉まで行って帰ってくるまで5時間ほどトイレがないので、大株歩道の水洗トイレに必ず行くようにしましょう(携帯トイレブースはあり)。

09:25

翁杉跡

推定樹齢2,000年を超える長寿杉で、2009年に倒木してしまいましたが、苔に覆われた古木らしい風格が漂っています。

09:30

ウィルソン株

大正時代に屋久杉を調査したアメリカの植物学者、ウィルソン博士にちなんでこの名が付けられました。切り株に入ってしゃがんで見上げると、ハート型をした空洞が♡

10:55

大王杉

約3,000年の時を経て巨大化し続けている大王杉は、高さ約25メートル、幹周りは約16メートルに及びます。

11:00

夫婦杉

別々の杉が高さ10メートルの辺りで融合している姿は、まるで仲睦まじい夫婦が手をつないでいるようです。

11:30

縄文杉

いわずと知れた屋久島最大を誇る杉の王者。登山者を出迎える堂々とした姿は、威厳に満ち溢れています。

12:00

下山開始

行きと同じルートを通ります。帰りは疲れもありますので、十分に注意を払って歩いてください。
※晩秋から冬はトロッコ道の終点辺りで日没となります。

17:00

荒川登山口到着

地獄への一丁目


結論からいうと俺たちが荒川登山口に帰着したのは18:10だった。
たかだか1時間遅れと思うかも知れないだろうが、限界を迎えた人間の1時間はまさに地獄そのものだ!

例えばサウナで限界を迎えるとする!

限界からの1秒はとてつもなく長く、そして苦しい。
我が嫁は長時間雨に打たれ、レンタルで借りたレインコート、リュック、登山靴などは既に防水が効かなくなり、身体中が濡れていた。(皆んな同じ)

11月の屋久島の気温は20℃ほどあるが、山に登れば気温は低く、それに雨風に長時間うたれると体温は低下する。

我が嫁は帰りの道中で全ての体力を使い切り、限界を迎え、全身を寒さで震わせ、呼吸は過呼吸になり、顔面は蒼白になっていた。 (● ˃̶͈̀˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾


何故そうなった? 魔の13時間!


俺たちは普段から特に運動などしていない。
そんな人間がいきなり13時間も歩くとどーなってしまうのか?


勿論、身体のあちこちは痛み出す。
新型のボディーを持つ若者なら大した苦もせず歩けてしまうのであろうが

中古のボディーを持つ40代以上はそうはいかない。

普段から身体のメンテナンスをしなければ若者たちと同じパフォーマンスを望むのは難しい。

俺たちは普段から身体のメンテナンスをしていない!

それでいて往復13時間もかかる縄文杉をなんの準備もしないで見に行くなどハッキリ言って舐めていた!

否!

たいして何も考えていなかった!! (~_~;)


縄文杉までの道のりは、上の工程表を見ればわかると思うが、トロッコ道をひたすら歩きそれが終わると、階段付きの山道をひたすら登って行く!

我が嫁は階段に苦労していた。(足が上がらないから)

俺はトロッコ道終点で既に左股関節を痛め友人の顔には悲壮感が漂っていた。(゚´Д`゚)゚。

我が嫁は普段から泣き言をあまり言わない人なのだが、その時、我が嫁は『帰りたい』と言った。

しかし、ガイドと俺は嫁を励まし、前に進んだ!

この時、嫁の言葉を真摯に受け止め引き返す勇気が有れば、嫁はあんな状態にならなかったと後悔している(嫁ごめんなさい)

帰りたいと言った場所!




冷たい雨!


雨は降り続いていた。


山の中は風は穏やかだったが、登れば登るほど気温は低く、雨具を着ているとはいえ寒かった。


どんどん自分のペースで登れば体温を上げる事は出来るのだが、歩みの一番遅い我が嫁のペースに皆の衆は合わせなければならない。


嫁は皆んなに悪いからと気を揉んでいたが俺と友人、ガイドはそんな嫁を気遣いながら登った。


因みに俺たちのパーティは他にも居た。


俺たちのパーティは全員で10名!


俺たち4人と他、若者たち。(男女混合)


全員が、我が嫁のスローペースに合わせてくれた。(ありがとう)(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)


縄文杉迄は一本道だ。


すると当然、後ろから後続のパーティが来る

その度に我がパーティは道脇に避け後続を先に行かせる。


俺たちが縄文杉に着いたのは予定より約40分遅れだった!


雨が止む気配は一向になく、ひたすら降り続けていた、、、、



感動ゼロ!


目的の縄文杉を見た時の正直な感想を言おう!


『早く帰りたい』だ!


縄文杉に着いた他の観光客は雨の中ひたすら写真を撮っていたしワイワイと賑わいを見せていた。


しかし、俺と嫁は階段の隅っこに座り込みただ一心に『早く帰りたい』と願っていた。


とりあえず記念に皆んなで写真を、撮ったが、それよりも何よりも帰りが恐怖で堪らなかった。


我が嫁は片道に全精力と体力を注ぎ込んでいた。


それからが大変だった。



地獄だった。

最後の力を振り絞ってピースする嫁!



行きは良い良い帰りは怖い!


行きは良い良い帰りは怖いというが、それは本当だった!


我が嫁は登りの時よりも明らかにペースが落ちていた。


それに、濡れた階段は非常に滑りやすく、足を踏み外せば高確率で何らかの怪我をする事も分かっていた。


我が嫁は慎重に一本一本進んだ。


かなり手こずりながら、そして心配しながらトロッコ道に、何とかかんとか辿り着いた。


しかし、我が嫁は限界だった。


話しかけても、応答がない!


いつ緊張の糸が切れてもおかしくなかった。


雨は、疲れている嫁の体力と精神力を少しづつ削っていった。



俺たちのパーティは道中、他のパーティ達にどんどん追い越され、いつの間にか最後尾になっていた。


雨は降り続いている。


そして遂にその時が来た!


嫁の緊張の糸がプッツリと切れたのである。
(>人<;)


嫁は残り約3キロ程で歩けなくなってしまったのだ!


俺はガイドと相談して、ガイドと若い衆は、先にあるあずま小屋まで連れて行ってガイドが戻って来る迄休憩する事にした。


友人らは残ってくれた(ありがとう)(TT)


しかし、歩けなくなった我が嫁は動けなくなった分、体温も下がり始めた。


俺は嫁をおぶって、あずま小屋まで行く事にした。


何とかあずま小屋迄辿り着いたが、嫁はブルブル震え、そして過呼吸になり顔面は蒼白だった。


俺は着替えや乾いたタオルなど持っていたがリュックの中は既にずぶ濡れ!


ジブロックに入れていたのに全てがしっとりと濡れていた。


それでもタオルを出し、着替えのジャージを着せた。


少しでもマシだからだ!


ガイドが無線で他のガイドを呼んできた。

ガイド3人プラス俺で順番におぶって運ぶ事になった!


嫁はブルブルと震えて、呼吸もヤバイ!


俺は猛烈に反省した!


あの時嫁の一言にもっと耳を傾けていれば、、、


後悔で涙が出そうになったが、何とか堪えた。
(T ^ T)


長い、、、、、


ゴールまで長い、、、、


一刻も早く嫁を宿に返したかった。

一刻も早く暖かいお風呂に入れてやりたかった。

一刻も早くいつもの嫁に戻してやりたかった。


おんぶリレーは続いた。


いつしか周りは暗くなっていた。
俺は嫁にもう少しだ頑張れ!もう少しだ!! 何度も何度も連呼した。


背中で過呼吸になっている嫁に泣きそうそうになりながら励ました。


長い・・・本当に長い・・・・


そして、遂にゴールの明かりが見えて来た。


出発の時にあった休憩小屋だ!


バスは他のお客を連れて先に帰っていた。

代わりにジャンボタクシーをガイドが手配してくれていた。


休憩小屋に着いてタクシーが来るまで俺は嫁を温めていた。


Tシャツになり嫁の手を胸に入れた。

濡れている帽子を取り、多少濡れているタオルを被せ嫁の襟から俺の息を入れて温めていた!


嫁の身体は冷たかったが、俺の身体は猛烈に熱くなっていた!


寒いはずなのに全然寒くない。


俺の体温全部持っていってくれ!!

そう思いながら息を沢山入れてやった。


どっかのオジサンがパーカーをくれた!


それやる!!


神だった!


ありがとうございます。


そう言って嫁の服をTシャツまで脱がし、全く濡れていないオジサンのパーカーを着せた。


嫁の体温が落ち着くと全身の力が抜けグッタリとなった。


しばらくして、ジャンボタクシーは来た。


俺は乗るのなりすぐに運転手に車内温度をMAXにしてくれとお願いした。


それから約1時間弱!


俺たちは無事宿の中に居た。


嫁をすぐにお風呂に入れた。


数十分後


嫁の顔に血の気が宿り、身体から湯気が出ていた。


嫁は助かったのだった!






最後に


俺は今回の事で物凄く反省した。

それと同時に縄文杉のツアーでいろいろと問題点も見つけた。

それと、これから縄文杉を目指す人へアドバイスをしたい。

縄文杉ツアーの問題点

  • トイレが少ない(スタート地点を入れて3箇所しかない。)

  • 緊急避難小屋がない(小屋にはストーブ、毛布、医療道具、水、お湯、担架など絶対に必要)

  • ガイドの教育(ガイドはもっと自分のパーティの体力の把握をし、いつでも引き返す決断を勇気を持ってするべき、今回の場合で言えば他のガイドに行く気のあるパーティを預け行く気のない客はガイドと一緒に引き返すなど柔軟性が必要)

  • 雨風が強い場合、ツアー会社、又はお客側の判断で、ツアー代の当日全額返却を当たり前にする。(そうでなければ、ガイド側はお金欲しさに、お客側からのキャンセルを待とうとするので無理にでも行こうというバイアスがかかるため危険)

これから縄文杉を見に行こうとしている人へのアドバイス

  • 行く前に十分運動や身体を慣らして行くべし。

  • リュックには季節を問わず暖かい飲み物を準備するべし。

  • 着替えやタオルは勿論、ちゃんとジブロックなどに入れておくべし。

  • 無理と思ったらすぐに引き返すべし。

  • 登山口までバスは結構揺れるので酔い止めを準備するべし。

  • 前の日に無理と思う天気なら自分の判断でキャンセルするべし。


ちなみに今回の縄文杉の問題点は環境省にメールで送ったのであるが、返信はない!!

世界遺産という事でいろいろな縛りがありなかなか難しい部分もあると思うが、縄文杉のエリアは世界遺産だが、同時に観光資源でもある。

人間の安全を担保できないので有ればそもそも、人を入れてはいけない!
緊急避難小屋など最低限人間の安全を担保する事ができて初めて観光資源として入山されるべきだと思うが・・・・・

数年後に少しでも改善されている事を祈る!

おしまい!

















  









サポートいただいた活動費は全額 複勝転がしに使わさせていただきます。💕💕💕 皆さんの応援待ってます!   (゚∀゚)ウキーー!!💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕💕