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0402 “人生の短さについて”2000年前の君から

読書感想文”人生の短さについて”★★★★☆
セネカ著 浦谷計子訳

人は多かれ少なかれ、ふと人生について考える時がある。自分もそう。そんな折、タイトルに惹かれ手に取ったのがこの本。セネカ….? 聞いたことあるようなないような。なんと、紀元前後のローマ帝国の哲学者と知る。日本はまだ弥生時代。

読んでびっくり。そんな時代に、今読んでも”ささる”文章がたくさん。2000年前からこんなにも普遍的な考え方があったことに驚く。ささった内容抜粋。

“人生は短くなどありません。与えられた時間の大半を、私たちが無駄遣いしているにすぎないのです”

“自分で自分のために闘う人は、一人として見当たらない。だれもが他人のためにエネルギーを無駄にしているのです”

“多忙な人間が何よりもなおざりにしているのが、生きるという、最も学びがたい学問です”

“自分の全時間を自分の必要のためだけに捧げ、毎日を人生最後の日のごとく大切にしているあの男は、未来を待ち焦がれることも、恐ることもありません”

“思慮深いとうぬぼれる人間は、結局、生きるための準備だけで、人生を使い果たしてしまうのです”

“未来に確実なものなどないのです。今、ここを生きようとしなさい”

どうでしょう。”嫌われる勇気”の本でも、”スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学卒業スピーチ”でも、同じようなことが語られているなと思う。”人生の短さについて”は、2000年前に書かれている。どきりとさせられる文章がちりばめられたこの本の、説得力はえげつない。タイトルの潔さとわかりやすさもそれを手伝う。

バリ島には、ニュピ(Nyepi)という祝日があるそう。今年は3月11日。バリ人にとって午前6時から翌朝6時までの沈黙、断食、瞑想、自己反省の日。通りや道路も空っぽで、テレビやラジオからの騒音も消える。ネットへのアクセスも制限される。

日本にも、こういう時間をつくる慣習があればいいなと思った。自分はこの本をきっかけに、ちょっとだけ深く人生を考えてみる時間をつくれた。明日は、Net Flixで、MASHLEを見て笑って、脳内のバランスをとる予定。

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