真の決断力

決断

◇決断力とは


トレーダーにとって素早い決断力は大切です。

素早く決断するにはまず素早く判断をしなければいけません。判断するには情報が必要ですが、いつまでも情報を集め続けてもスピードが遅くなりますので、どこまでが必要最低限の情報なのかはあらかじめ決めておかなければいけません。
トレードであればカレンダーで経済指標やイベントの重要な所だけを見て、日足で環境認識をして、仕掛ける場所と出口の情報を探します。その上で実行する覚悟、つまりエントリーのイメージをして覚悟を決めます。その判断と覚悟、両方が揃って決断に至る訳です。
これだけ見ると論理的で簡単なようにも思えますが、難しい所は正解がなくリスクが伴うことです。人生においてもトレードにおいても正解というものはなく、決断とは断を下すこと、正解がないものに断を下さなければならないのです。決断するタイミングを見誤っても損をしたりチャンスを逃したりします。
決断することには必ずリスクが付きまとい、そのリスクが大きくなればなるほどより強い覚悟が必要になります。それらは一朝一夕で身につくものではなく、これまでの人生経験にもよりますし、地道に身につけていく必要があります。

◇決断力不足の根本にあるものは?


もし自分に決断力が不足していると思うのであれば、それはこれまでの育った環境に原因があるかもしれません。子供の頃「過保護」に育てられてきたから決断力が無いという人もいます。親が子供の決断の機会を奪ってきて、親が色々な事の選択肢を与えてきたのです。そうすると自分で意思決定ができず、失敗しても親や周囲の環境のせいにしてしまうようになります。
学校教育にも問題があるかもしれません。知識を詰め込んで、テストで高得点を取ることが正しいことだと刷り込まれてきました。テストでいい点を取らなかったり成績が悪かったりする度に叱られてきたので、慎重で臆病になって行動力も決断力も身につかなかったのです。本当は答えなんてないのに正解を求められてきたので、人生にもトレードにも高得点や正解を求めてしまいます。実際には結果に至るまでの経過が大切なのに、です。もしこういった原因が自分にあるのであれば、まずはそのことを認識して変化を起こしていかなければいけません。

◇事前準備


どういう点を意識していけばよいのか。
冒頭に記載したことを深堀りしますと、即効性が有り素早い決断を下す基本は「明確な判断基準を作り、事前準備をしておく(事前にどうするか決めておく)」ということです。合理的な根拠を基に、食事は事前にどういうものを取るか決めておく、毎日着る服を決めておく、何時に寝て何時に起きるか決めておく、決めておいて紙に書いたり物を用意しておいたり事前に準備をしておくことです。着る服などは比較的簡単ですね、食事は欲が邪魔をしてくるので少し難しいかもしれません。寝るのも起きるのも着替えや布団を用意しておいたり入浴の時間を寝る2時間前にするなど少し工夫をして準備をすることで規則正しくできるものです。
こういった日常からのトレーニングで決断を早くする、ちいさなことでも意識的に「決めて行う」という習慣をつけることです。どうでもいいことなどは気軽に即決める、簡単なことから素早く決断していく、どっちでもいいとか、何でもいいとか、検討するとか、行けたら行くとか、曖昧なことは言ってはいけません。先延ばしにせず締め切りを決めてやることです。
こだわりを捨てることも大切です。こだわりは決断の足かせとなり、正しい判断基準が分からなくなります。絶対とかどうしてもとかこれだけは、といったような特別なこだわりをできるだけなくすようにしましょう。
トレードでもとにかく事前準備をし、事前準備でトレードは全て終わっているようにしなければいけません。それでこそいざエントリーのタイミングが来た時に素早く決断できるのです。

◇リスクと迷い


リスクに対してはまず選択や決断に正解は無いと知らなければいけません。何を選んでもいいことと悪いことがあります。いい結果が出る方を選ばなくてはという気持ちが強かったり、考えすぎて常に正解を求めるようではいけません。やることにもやらないことにもリスクはあるのです。そしてどれも決断すればそれは正解と考えてもいいのです。唯一決断しないということのみ現状悪化を招くことになるので、不正解です。
迷いはメンタルの問題です。必要な情報を収集して整理して考えるのはいいのですが、迷ったり悩んだりするのはいけません。分からないことをどうしようかと悩んで何もしないのではいいことはありません。迷い始めたり悩み始めたらそれは決める段階のサインだと考えましょう。やらないという決断も重要で、迷って決断できずに結果やれなかったのと、やらないと決めたことは全く違います。

◇失敗


失敗に対しての恐れもあると思います。周りの目を気にしたり、嫌われることを恐れたり、損することを恐れたり、心配性であったり、何かをはじめるのにまず失敗のイメージがよぎったりするとなかなかその恐れがぬぐえません。これも失敗は悪いことではないと腹の底から理解できないといけません。失敗は成功の過程であり、成功の反対は失敗ではなく何も決断しないことです。失敗を恐れず積極的に失敗し、失敗に対する心理的ハードルは下げないといけません。失敗しても命までは取られないと考えましょう。むしろ早く失敗すればするほど早く結果が分かるので早く修正が効きます。決断できる人は失敗を恐れず迷いを捨てて前に進む覚悟があります。

◇真の決断力


迷いや恐れといったものはメンタルの問題でもあり、メンタルの問題であれば脳を活性化させ身体からコントロールする方法が効果的です。マインドフルネスや氣功、呼吸法、脳に良い食事、脳に良い運動、場合によっては断食などによって自分を追い詰め変性意識状態を作り出すなど、方法があります。これらにより、脳の松果体が活性化し、今まで得てきた情報の点と点がつながり、健康状態が改善し、エネルギーに満ちてきます。喜怒哀楽や余計な損得、固定観念や偏見、好き嫌いや欲による判断を免れ、無味乾燥に合理的な選択ができるようになります。
「合理的な判断基準で事前準備をし、リスクから逃げず、迷いや失敗に対する恐れといったメンタルの問題を無くす」ことで真の決断力が身についてくるのです。

今回の記事は以上になります。

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