株式市場のニューノーマル-マーケット考察-2020.6.10

米国株式市場は銘柄により高安がバラバラ。

6営業日連続で2188ドルもダウ平均が上昇し続ければ、利確の売りで調整が入るのは当然で、それでもナスダック総合指数が史上最高値を更新しているのは、ある意味、株式市場の「ニューノーマル」なのかも知れません。

9日から2日間FOMCミーティングが開催されてますが、市場は継続的金融緩和による実質的ゼロ金利政策と無制限の資産購入策を織り込んでいます。流石に、パウエル議長のサプライズは無いでしょうが、一応フォローしておく必要はあるかと思います。

原油市場は終値では反発したものの、サウジアラビアなどが追加減産を延長しない意向を示したり、米国が増産しているなど、供給過多の懸念を今後も抱えており、新型コロナウイルス第2波の可能性が払拭されてませんので、今後の動きに要注意です。

経済指標は4月JOLT求人件数や4月卸売在庫改定値の発表がありましたが、両者とも見通しが悪化している数字でした。4月卸売売上高も前月比-16.9%と過去最大を更新しました。

引き続き、低調な実体経済と好調な金融経済という乖離が特徴の歪んだ現象の中、楽観主義者は現代経済のパラダイムシフトを語り始めてますし、経済活動は回復基調にあると確信してます。一方で、悲観主義者はこの事態が一時的な「しゃっくり」だと認識しています。実際、米国12州以上で新型コロナウイルス感染者数は前週より早いペースで増加してます。恐らく、年末までには両者の勝敗は明らかになるのでしょうが、今のところ決定打が不足してますので、株式市場は調整局面に入っていると言えます。

立沢 賢一(たつざわ けんいち)

元HSBC証券社長、京都橘大学客員教授。会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、ゴルフティーチングプロ、書道家、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資家サロンで優秀な投資家を多数育成している。

投資家サロン
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