米国株マーケット考察 2020.12.12

マーケットサマリー

米国株式相場は反発。ダウ工業株30種平均は前日終値比47.11ドル高の3万0046.37ドルと、2日ぶりに3万ドルを回復して終了。

ナスダック総合指数は27.94ポイント安の1万2377.87で引けました。ニューヨーク証券取引所の出来高は前日比6272万株減の9億4742万株。

昨日の相場の上昇要因は;
(1) ディズニーは10日、2019年11月に開始した動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」の有料会員数が今月2日時点で8680万人に達したと発表。また会員数見通しを大幅に上方修正したことが好感されて大幅高となったこと

(2) FDAの諮問委員会が、ファイザーと独ビオンテックが開発したワクチンの緊急使用許可(EUA)の申請について協議し支持を表明し、数日以内にEUAを取得すると見られており、ワクチンは期待通りに米国で投与が開始される見込みになったこと

(3) 12月ミシガン大消費者信頼感指数が81.4と予想(76.0)を大きく上回る強い数字が発表されたこと

でした。

然し乍ら、新型コロナウイルス感染拡大の為、ニューヨーク州のクオモ知事は昨日、ニューヨーク市内の飲食店の店内飲食を14日から禁止すると発表しました。
 
また、追加経済対策を巡る与野党協議に関して、超党派グループが提示した9080億ドルの案を軸に妥協案が協議されていますが、重要な部分で共和党の大多数の支持を得られないことで、再び暗礁に乗り上げています。

年末に向けて市場も警戒感を高めつつある中で、株式市場は利益確定売りが優勢となっている模様です。但し、前日と変わらずで、下値では押し目買いも入り、下押す動きまではまだ出ていません。

用語解説


-ミシガン大学消費者景況感指数ー米国の消費者マインドを示す指標。ミシガン大学の調査研究センターがアンケート調査を実施し、毎月300人を対象とした速報値、500人を対象とした確報値を発表しています。

現在の景況感を示す現状指数(約40%)と先行きを示す期待指数(約60%)で構成されています。調査会社コンファレンス・ボード(CB)の消費者信頼感指数に先行して発表されるため、市場関係者の注目度が高い指数とされています。


立沢 賢一(たつざわ けんいち)とは

元HSBC証券社長。
会社経営、投資コンサルタントとして活躍の傍ら、米国宝石協会(GIA)会員など多彩な活動を続けている。投資戦略、情報リテラシーの向上に貢献します。
・立沢賢一 世界の教養チャンネル
http://www.youtube.com/c/TatsuzawaKenichi

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