微睡の時
微睡む(まどろむ)という言葉が僕は好きだ。
意味はもちろん、音の響きも口にしてなんだか心地良い。
不意に訪れるどうにもし難い眠気が襲う時がよくある。
そんな時に、静かに微睡む僕もいれば、そのままうとうとしていたいが、そうもいかず作業をすることも多々ある。
微睡の時間は心地良く安らぎの時間なのだが、反面時間泥棒なのではないかと僕は思う。
うとうとしている時間の分だけ、しなくてはいけないこと等に割く時間がなくなってしまうのだ。気づいた時には思うよりも時間が経過していた、なんてことはよくある。そんな日々ばかりを過ごしては、後悔とまではいかない何かに怯えている僕が馬鹿らしくも思うのだが、なんとも出来ずに今を生きている。
時折思う。残酷に時間は経過していくのに僕は何も出来ていない、と。その度にそうではないとも考えるのだ。何も出来ていないことなどないのだ、と。
これを書いている現在、僕は31歳。色々あった人生だったが、その時に出来ることを自分なりにしてきたからこそ、今があるのだと思う。失敗の方が多いと思う。成功やこれでよかったと思えることなんか指折り数えられる程度しかない様に感じる。
それでも良い。生きてて良かった。今のところそう思えるくらいの人生ではある。何も成し遂げてなどないけどね。
僕がこの世界からいなくなる時、「うん、なんだかんだあったけど、それでも良かったんだ」そう言って笑えればそれでいいと思うから。
そんな風に考えて過ごす今、眠気が襲ってくるので微睡むか悩む。とりあえず一服してみようかな。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?